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プロにお金を預けてマイナスで返ってきても怒らない方法
山崎 俊輔
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プロにお金を預けてマイナスで返ってきても怒らない方法

2012/7/26
資産運用を行う者は誰もが「増やしたい」と思ってリスク運用を行っています。しかし、運用結果がマイナスになる、ということは誰にでもありえます。
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運用でマイナスになるとおもしろくない

資産運用を行う者は誰もが「増やしたい」と思ってリスク運用を行っています。しかし、運用結果がマイナスになる、ということは誰にでもありえます。「なんとなく投資」から脱出するためにも、マイナス運用とのつきあい方を覚える必要があります。

マイナスの運用結果を完全に回避することが投資レベルの向上だと考える人も多いことでしょう。しかし、予言者でない限り、100戦100勝の資産運用を行うことはできません。現実的には、勝率が大きく下がらないようにしたり、マイナス運用になったときの損失の程度が抑えられるような資産運用の工夫をすることが重要になります。

このとき、自分の投資判断のどこが不適切であったか、あるいはそれは予見し得ない価格変動要因であったと捉えるか、敗因について自分なりに整理をしていくことが将来の運用能力向上につながります。しかし、投資信託の場合、「プロに預けたのに」という感覚が間にはさまり、自省が困難になりがちです。

今回は、「プロに預けた運用結果のマイナスとのつきあい方」を考えてみたいと思います。

運用を委託したらマイナスになったことをどう考えるか

運用結果のマイナスについて、分析が容易なのは、自分で直接個別銘柄の投資判断をしている場合です。自分で個別銘柄を選び、売買タイミングをコントロールした以上は、その結果は自分で負うことについて納得しやすいからです(「○○氏の推奨銘柄は外れだった」と他人のせいにする人がいますが最後は自分が投資の決断をしたことを認めるべきです)。

しかし投資信託で運用したときなどは、個別銘柄の選択、売買タイミングの選択は運用会社とそこに所属するファンドマネージャーが担います。運用結果が芳しくない場合には、投資信託の運用会社やファンドマネージャーを責めたい気分になるでしょう。「プロのファンドマネージャーに運用を任せているのにマイナスになるとはけしからん」と怒るわけです。

企業年金運用に携わる運用執行理事でもこういう人が多くて「一年間運用を託したらマイナスにしてきて、手数料は取るなんておかしいだろう」と怒っています。

こうした怒りは、運用を委託することはマイナスにせずに増やしてくること、と定義しているため、生じている誤解です。しかし、運用を委託した投資信託等が掲げているのは「マイナスにならない運用」ではなく「○○を投資対象とし××をベンチマークとした運用」であるはずです(絶対収益追求型の投信も存在しますが、ここでの議論からは除く)。

誰に責任があるマイナスなのか考えてみる

運用を委託した結果がマイナスであるとき、マイナスリターンについては、もう少し要因分析をしてみるべきだと思います。つまり、誰がそのマイナスを生み出したかということです。

マイナスのリターンといってもその性質はいくつかあります。
1つめは、インデックスそのものの下落です。当該投資商品の投資対象とする市場の下落そのものについて、特にこれを回避する運用方針が示されていない場合、運用委託者にこれを責めるのは筋違いというものです。
各投資対象の騰落可能性については、投資をする段階で織り込んでおくべきです。期待リターンと1.標準偏差を勘案したマイナスリターンの程度は下表のとおりですし、2.標準偏差を考慮した場合の損失割合も本来投資に当たって覚悟しておくべきです。

2つめは運用方針や運用のスキルに起因するものです。インデックスを上回る超過リターンの獲得を目指すことが、結果としてインデックスを下回ったとしたら、これは投資方針についてあらかじめ了解して投資した以上受け入れるべき部分です。ただし、インデックスにアンダーパフォーム(超過して下回っている)している部分について、運用能力の劣後することが原因と考えられます。この場合、投資方針が自分の望みと異なるのであれば、投資の委託を終了することができます。つまり、投資信託を手放せばいいわけです。

両者のマイナス要因を比較すると、マイナス運用のほとんどはインデックスそのものの下落によります。特に大きく下落しているときほど、要因はインデックスそのものに強く影響します。
市場の騰落そのものについて、投信会社やファンドマネージャーを責めても、運用方針に則って行った投資の結果ですから、仕方ないのです。

運用を委託してマイナスになったときはぜひ、要因の整理をしてみてほしいと思います(プラスのリターンになったときも同様の分析が必要です)。

マイナスを受け入れられる運用方針を考えるレベルに

そうしてみると、運用を委託してマイナスになった場合に、これを受け入れられるかどうかは、実はファンドマネージャーの問題ではなく、自分自身の問題、ということになります。ここまで考えが進められると「なんとなく投資」から一歩ステップアップしたことになります。

運用を委託してマイナスになったとき、委託者を責めているヒマがあるなら、「自分自身の委託の仕方」が適当であったかしっかり考えていくべきです。当該商品を選択した理由、あるいは当該商品へ投資する金額を決定した理由は、自分自身の中にあります。そして、資産全体での運用結果を大きく左右するのは投資比率であり投資金額です。マイナスを受け入れられないという場合は、自分の運用方針や資産配分決定について反省するべきなのです。

私たちはすべての投資対象において優れたファンドマネージャーとして直接売買することは困難です。日本株については自分で直接売買できたとしても、外国債券、外国株式まで手を広げて個別銘柄を選び売買タイミングをねらうことは困難です。

しかし複数の投資対象を同時に保有することでリスクを抑えつつリターンをねらっていくためにも、また新興国株式のように個人が容易に売買できない市場を投資対象に加えていくためにも、投資信託等の運用を委託する商品を活用せねばなりません。

投資信託等を通じて運用の仔細を他人に委ねる場合は、「どれだけのリスクを負わせるのか」「どれだけの金額を運用委託するのか」のマネジメントをしっかり行っていきましょう。マイナスになったことを責めるより、そのマイナスが許容しうるものであるかについて注目し運用方針の見直しを行うほうが生産的です。

「プロのくせに運用を任せたらマイナスにして返してきやがった」と怒ったときには、自分がどのような条件で投資を委託していたか理解していない、「なんとなく投資」だった、と思い返してみてください。

プロに預けたらマイナスの結果と怒る前に

あらかじめマイナス運用の程度は織り込んでおく

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