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親の遺産があれば、自分の老後はなんとかなるのか
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

親の遺産があれば、自分の老後はなんとかなるのか

2012/2/22
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファイナンシャル・プランナーであり年金の専門家である山崎俊輔氏がやさしく解説していきます。
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親の世代が国富を握っているなら相続すればいい?

先日、お話をしていたら「老後のお金の準備はあまり考えなくてはいいのではないか。なぜなら、わが国の資産の多くは年金世代が持っており、これを相続することができるのだから」という質問がありました。

確かに日本に存在する金融資産の8割は年金生活世代(60歳代以上)が保有しているとされており、これが自分もリタイアするときにもらえれば老後の準備に苦労しなくてすむような気がします。

しかし、残念ながらそうはならないだろうというのが筆者の考えです。やはり、資産運用を行いつつ、お金を貯めていかなければ老後は全ての現役世代にとって苦しいものとなるでしょう。今回は「なんとなく」相続に期待している人への注意点をお話します。

親の財産を当てにしてもうまくいかない理由

老後資金準備に相続財産を期待してもうまくいかない理由を整理してみます。
まず、長寿化です。65歳まで元気に到達した人は、平均寿命より長生きする可能性が高まります。統計的にいえば老後の長さは、男性が19年、女性が23年ということですから、父親は84歳、母親は88歳は十分にありうる、ということになります。実際、死亡者数が多い年代は、「80代前半」「80代後半」より「90歳以上」という年齢区分になっているほどです(厚生労働省「人口動態統計」)。

つまり、母親が25歳のとき自分が生まれたとして、母が90歳で亡くなったとします(父は先に他界していると仮定)。すでに現代においても、65歳で相続、ということは十分考えられる状況です。今後の医療制度の発展があれば、自分が年金生活に入っても、両親健在で相続はまだ、ということは現実的なのです(念のため言っておきますが、親に早く死んで欲しいという話題ではありませんので誤解なきよう)。

次に、親も資産を取り崩していくということです。確かに年金世代が資産を保有していることは確かですが、今後も使わずに残し続ける保証はありません。特に消費税増、医療サービスの自己負担増などは親の資産取り崩しペースを速める要素になると考えられます。子の介護の世話にはならないと、終身介護の老人ホームに入る際に、親がほとんど全ての資産を処分してしまうこともあります。これも期待したような相続資産が残っていない、ということは十分に考えられます。

また、個人差の大きいことも十分に自覚しておきたいところです。年金生活をしている親の世代が平均的に2,500万円持っているわけではありません。0円という世帯が5~10%、3,000万円未満という世帯がおおむね30%というように半数弱の世帯はそれほど多い資産を有しているわけではありません(第一生命経済研究所「家計と貯蓄に関する調査」等)。つまり、おおむね半数は相続財産に期待できません。
もし、自分の親は資産を蓄えず年金生活に入っているということであれば、親に頼るどころか、親を支えることも自分のマネープランに織り込まなければならないわけです。

また、兄弟姉妹が多い場合は、親の介護等の負担はシェアできるものの、相続財産も分割することになりますから、期待できる金額は少なくも考えておく必要があります。相続財産が自宅不動産のみであってこれを売却するのであれば、実際の手取りがさらに下がる可能性もあるでしょう。

最後に、期待して当てが外れたとき、定年退職後ではもうどうしようもないことも指摘しておきます。働く元気はないのに相続財産がないと分かったとすれば、これはほとんど「詰み」の状態です。公的年金だけで暮らすことを余儀なくされるでしょうが、経済的にはかなり苦しい20年が待っています。

相続に頼れるか頼れないか、上手に聞き出してみる

さて、そうなると「自分は相続財産に期待できるか」「そうではないか」くらいははっきりしておいたほうが良さそうです。つまり、そもそも親の財産があるかどうかを知るということです。

なんとなく「親は金を持っている」と考えたくなりますが、こればかりは実態を知るべきです。もしかすると、あなたに苦労を感じさせない裏で、自分のための資産形成は後回しであったかもしれないからです。

親のお金の話を、子が聞き出すのは実は難題です。しかし、親がいなくなってからはじめて通帳をひっくり返したり、病院のベッドで最期の時間をお金の話に使うのは避けたいところです。
むしろ親が元気で、何もないときに聞き出しておくことをおすすめします。たとえば、GWやお盆、年末年始の帰省のときなどにさりげなく以下のようなことを聞いておくといいでしょう。

  • 健康の話題をきっかけに子が費用負担する必要があるか聞き出す
  • 健康の話題を展開し、保険の話を聞いておく(証券の置き場も聞く)
  • 年金収入だけで暮らしぶりに問題がないか聞いてみる
  • 財産のスケールをおおまかに聞き出す(1,000万円単位でもいい)
  • 借金がないかは確認しておく
  • 父が先立ったときの母の話を母が外出しているときにする

最近は、人生の最後について整理し希望を伝えるというのが高齢者の間ではブームですので、意外に話題がスムーズにいくかもしれません。
むしろ健康なときにこういう話題は整理しておくべきなので、むしろ親の経済をしっておくのは親孝行だと思って話をしておきましょう。

なお、この話題は電話でしてはいけません。時節柄、オレオレ詐欺だと誤解されるからです。帰省時にうまくタイミングを見て話してみてください。

結論としては、やっぱり自分で備えるのがいい

さて、親に頼れない人のほうがおそらく多いと思います。結論としては、やはり老後の資金準備は自分で考えておくに越したことはなさそうです。
親の世代が国富を持っていようといまいと、自分で自分の老後資産は形成していけばいいわけです。別に親の世代から奪わなければ自分の財産が増やせないわけではありません。

現役世代が資産を多く持たないのはあまりおかしいことではありません。むしろ老後に向けて資産を積み上げていく取り組みこそが重要です。王道はやはり、積立投資ということになるでしょう。

自分の老後は自分で頼り、むしろ親には親の財産で楽しい老後を送らせる、そんな風に考えられるといいですね。

老後資産が相続に頼れない理由

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