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≪事例研究≫イー・アクセス株主歓喜!ソフトバンクによるイー・アクセスの買収
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

≪事例研究≫イー・アクセス株主歓喜!ソフトバンクによるイー・アクセスの買収

2012/10/11
今回は事例研究シリーズとして、最近のIR情報から私たち個人投資家にとって興味深く、かつ重要と思われる事例をご紹介します。
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イー・アクセス株主にとって「超有利」な条件

今回は事例研究シリーズとして、最近のIR情報から私たち個人投資家にとって興味深く、かつ重要と思われる事例をご紹介します。ポイントや注意点を押さえておくことで、今後の株式投資に必ず役に立つ知識となるはずですので、ぜひご参考にしてください。

今回は、ソフトバンク(9984)によるイー・アクセス(9427)の買収についてです。

10月1日、ソフトバンクは株式交換によりイー・アクセスを完全子会社化することを発表しました。

本件では、イー・アクセス株式は52,000円と評価されました。これは買収発表前の9月28日の株価15,070円と比べてなんと約3.5倍もの高評価です。

通常、被買収会社の株式評価額は、時価にプレミアが上乗せされたとしても30%~50%程度の水準であることが多いのですが、今回のように時価の3.5倍という評価額は滅多にお目にかかれるものではありません。

これは、イー・アクセス株主にとって超有利、超破格の条件といっても良いのではないでしょうか。

買収発表前にイー・アクセス株を買えたか? -株価チャートの見地から

今回の買収は、15,000円が52,000円になるという、株主にとっては超ラッキーなニュースでした。では、今回の買収発表前に私たち個人投資家はイー・アクセス株を買い仕込むチャンスはあったのでしょうか。結論から言えば「イエス」です。

イー・アクセス株の日足チャートをみると、9月19日前後に上昇トレンド入り(25日移動平均線上向き+株価が25日移動平均線より上)しており、その後は上昇トレンドが続いていたことが分かります。

つまり、9月下旬であればイー・アクセス株を新規買いするチャンスは十分にあったということです。

ただし、イー・アクセス株を買うためには、イー・アクセス株に日頃から注目していなければなりません。

イー・アクセス株は後述のようにファンダメンタル面からみれば明らかに割安に放置されていた銘柄です。こうした銘柄をピックアップして定期的に株価をチェックし、上昇トレンドに転じたら買う、という行動を地道に続けていれば、今回のようなラッキーな出来事に遭遇する可能性も格段に高まります。

いくらファンダメンタル面で割安でも下降トレンドでは買ったり保有すべきではない

ファンダメンタルの面でいえば、イー・アクセス株はかなり割安であったといえます。買収発表直前の株価15,070円と最新の会社四季報を用いて計算すると、PER(経常利益の60%をあるべき当期純利益として計算した修正値)5.8倍、PBR0.6倍、配当利回り5.3%といずれも株価が割安であることを示しています。筆者も割安という観点でイー・アクセス株にはかなり前から注目していましたが、割安なのに全然下げ止まらない株価の動きを不思議に思っていたものです。

買収発表直前の株価15,070円に対し、今回の買収の評価額52,000円は決して高くなく妥当であると発言する専門家も少なくありません。このことから、イー・アクセス株は実態よりかなり安値に放置されていたことが分かります。

それでもやはり、筆者は株価が下降トレンドにある銘柄を買ったり、保有することはお勧めできません。

イー・アクセスの株価は2010年まではおよそ50,000円から80,000円程度で推移していましたが、その後一貫して下げ続け、2012年5月には12,110円まで下落しました。今回の買収では多くのイー・アクセス株主が報われましたが、こんな破格な条件でさえも、含み損を解消できない株主は少なくありません。

また、株価が下降トレンドに転じたため売却したところ今回のビックニュースが発表され、売却せずに保有していた方が得だった、という残念なケースもあるでしょう。

でも、イー・アクセス株が下降トレンド中に今回のビックニュースが飛び出したなら筆者であればいさぎよくあきらめます。

そもそも今回のようなことは宝くじに当たるようなもので、めったにあることではなく、もちろん狙えるものではありません。常に今回のようなことを期待して、株価が下降トレンドであるにもかかわらず新規買いをしたり保有を続けていたりすれば、トータルでみれば投資成果が大きなマイナスになりかねないのです。

既存株主はイー・アクセス株を保有すべきか、売るべきか?

本件では交換比率が16.74と発表されています。つまり、イー・アクセス株1株に対してソフトバンク株16.74株が交付されることになります。

ひとたび交換比率が確定すれば、その後はソフトバンクとイー・アクセスの株価は連動します。イー・アクセスの株価はソフトバンク株の16.74倍に近い水準で推移するはずです。

では、イー・アクセスの既存株主は、このままイー・アクセス株を保有し続けるべきでしょうか。それとも売却すべきでしょうか。

あくまで個人的な見解ですが、買収発表前の9月下旬に15,000~16,000円程度でイー・アクセス株を買うことができているなら、筆者であれば一旦売却します。

株を持ち続けて株価が買値より3.5倍に上昇するというのは至難の業です。日本株全体が上昇相場であっても数年はかかるでしょうし、軟調な相場環境が続けばいつまでたってもかなわぬ夢かもしれません。それがあっという間に実現されるわけですから、ここはありがたく利益確定するのが1つの手です。その上で、まだ株価が本格的に上昇していない割安株に資金を振り向けたりする方が、資金効率の面では有効と思います。

また、長年の含み損が解消され、塩漬け状態から解放されるような株主も、ここで一旦売却しておき、得た資金をどうするかは改めて考えればよいのではないでしょうか。

もちろん保有し続けるかどうかは人それぞれ考え方があるでしょう。イー・アクセス株を売却せずに保有し続けていた場合、今後の株価はソフトバンク株に連動しますし、株式交換後は強制的にソフトバンク株に切り替わります(株式交換に反対して株式買取請求権を行使することも可)。ソフトバンクに魅力を感じ、今後も業績が伸びて株価も上昇すると思うのであれば、そのまま保有を続けるのも一策ではあります。

本件の買収をもってしてもまだ含み損が残ってしまい、かつ損切りもしたくないという株主も、保有し続けていれば含み損が解消できる可能性が大いに高まりました。

例えば、1株70,000円でイー・アクセス株を購入した株主であれば、株式交換により1株70,000円÷16.74=4,182円のソフトバンク株に切り替わります。今回の買収話がなければ、株価が5倍近く上昇しないと含み損が解消できないという気の遠くなる状況でしたが、今回の買収により、ソフトバンクの株価が現時点の価格から約40%上昇すれば含み損が解消できるようになりました。

今回のソフトバンクによるイー・アクセスの買収は、久々に株式投資に夢を感じさせてくれるような明るいニュースでした。

次回の事例研究は、「ライツ・オファリング」についてのを予定しています。聞き慣れない言葉ですが、自身が株主になっている会社が「ライツ・オファリング」を実施することとなった際に困ることのないよう、基本的な点はぜひ理解しておきたいものです。

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