毎日のように続く超低位株の乱舞!

ここ最近、株価が2桁~100円台の超低位株を中心に、短期的に株価が急騰する銘柄が相次いで出現しています。株価が大きく上昇する要因が見当たらないにもかかわらず、突然ストップ高になる銘柄さえ目立つようになりました。

それまでほとんど株価が上昇していなかった銘柄が突然ストップ高になったりすると、特に以前から自身がチェックしていた注目銘柄ならなおのこと「早く買わないと乗り遅れてしまう」とばかりにストップ高の翌日の寄り付きに成行買いしてしまいがちです。でも、その前に一度深呼吸して、落ち着いて行動するようにしてください。

突然の株価急騰は2パターンのいずれか

突然株価が急騰するケースには大きく分けて2パターンあります。

(1)その銘柄にとって明らかなプラス材料が出た場合、(2)特にプラス材料がないにもかかわらず急騰した場合です。

(1)に当てはまる例として日本橋梁(5912)が、(2)に当てはまる例としてインプレスホールディングス(9479)が挙げられます。

日本橋梁は年間売上高に匹敵する大型案件の受注や首都高大規模改修といった好材料が相次いだことにより株価が大きく上昇しました。1月5日のストップ高(320円引け)後もさらに大きく上昇し、1月13日には528円まで急伸しています。1月5日の翌日寄り付きに351円で飛び乗っても十分に利益を得ることができました。

日本橋梁(5912)の日足チャート

一方、インプレスホールディングスは12月2日に突如ストップ高の116円まで上昇しましたが、株価がストップ高まで買い進まれる材料は特段見当たりませんでした。結局翌営業日の12月5日の寄り付き直後の121円を高値としてその後は株価の下落が続いています。

インプレスホールディングス(9479)の日足チャート

もちろん、(1)のケースでもストップ高の翌日に早くも息切れしてしまうこともありますし、(2)のケースでも株価が上昇を続けることもあります。しかし、多くの場合、株価急上昇に確固たる要因がない場合、上昇は短命に終わることがほとんどです。

株価急騰銘柄へはこう対応しよう

こうした株価急騰銘柄が相次ぐ中、さらなる株価上昇に期待して高値づかみをしてしまっては元も子もありません。そこで、次のような点に注意するとよいでしょう。

  1. 株価急騰の要因が特段見当たらないのに突然株価が急上昇した銘柄を翌日寄り付きに買わないようにする

上記のインプレスホールディングスのように株価急上昇が超短命で終わってしまう銘柄は、急上昇の翌日に当面の高値をつけることが非常に多いです。

  1. 仮に株価急騰銘柄を買うにしても少量に留めておくようにする

とはいうものの、上記の日本橋梁のように、株価急騰の翌日に買っても十分に利益が得られる場合もあります。でも、それがいつも上手くいくわけではありませんから、失敗した場合でもダメージができるだけ小さくなるように、無理をして多額の投資をしないことが肝要です。

  1. 損切りをしっかりと実行する

インプレスホールディングスのように急騰翌日に高値をつけてしまうと、しばらくの間株価が軟調になってしまいます。急騰直後に買ってみたものの、株価が上昇しないならば早めに見切り売りをすることが重要です。もしその銘柄の上昇相場が終わっていないならば、急騰時の高値を早晩更新してくるはずですから、それを確認してから買いなおせばよいのです。

株価急騰銘柄への飛び乗りより上昇前の先回り買いが有効

前回の仕手株・材料株もそうですが、株価が低い銘柄の急上昇が目立つようになってきたら、それは相場全体の底入れが近いサインではないかと筆者は考えています。でも、短期的に急騰してしまった銘柄を下手に追いかけるのはあまり得策ではありません。

相場全体が底打ちすれば、2桁~100円台と異様に安い株価で放置されていた銘柄の割安感が強まり、一斉に株価の水準訂正が起こって大きく上昇します。

したがって、特に初心者、初級者の方には、短期急騰銘柄に惑わされることなく、まだ株価が大きく上昇していない銘柄を先回りして買うことをお勧めします。その方が間違いなく高値づかみや大きな失敗を防げますし、結果的には良い投資成果が得られるものだからです。