上場株式等の売却益には10%の課税

今回は、株式投資に関する税金の基本的な取り扱いについてご説明します。
上場株式等の売却の際は、売却益に対して税率10%の譲渡所得課税が行われます。
一般口座にて売却した場合は、売却単価や税計算を自身で行ったうえ、原則として確定申告が必要です。
源泉徴収なしの特定口座にて売却した場合は、税計算は証券会社で行ってくれますが、確定申告は自身で行う必要があります。
源泉徴収ありの特定口座にて売却した場合、証券会社にて自動的に税計算・納税がされますので確定申告をする必要はありません。ただし、確定申告をした方が有利な場合などは、確定申告をすることも可能です。
さらに、源泉徴収ありの特定口座内での売却益は、確定申告しない限りは後述する合計所得金額への加算もされません。これらのことから、源泉徴収ありの特定口座が最も使い勝手がよいといえます。

配当金の課税は10%の源泉徴収で完了、確定申告も可

上場株式等の配当金は配当所得として課税されます。原則として確定申告のうえ総合課税となりますが、配当金等の受取時に10%の源泉徴収が行われているため、確定申告をしなくてもOKです。
他の所得が少ない人など、確定申告をした方が有利なときは確定申告を行うことで、源泉徴収された税金を取り戻すこともできます。また、別の回で詳しくご説明しますが、配当所得と株式の売却損とを損益通算するためには、申告分離課税により確定申告することが必要です。

確定申告で税金還付のつもりが増税になることも?

譲渡所得(売却益)や配当所得、FX取引の雑所得などを確定申告すると、それらの所得は原則として合計所得金額に加算されます。
このため、確定申告が任意の場合に、確定申告をすることで、節税できたり取り戻せる税額以上に増税や社会保険料アップにつながってしまうケースもあるので注意してください。
例えば、前年以前から繰り越した株式の売却損と損益通算するために源泉徴収ありの特定口座で生じた本年の株式売却益を確定申告したり、源泉徴収された配当金を取り戻すために配当所得を確定申告するようなケースです。このとき、確定申告した所得が合計所得金額に加算される結果、自営業者などでは国民健康保険料のアップにつながることがあります。
本人だけでなく家族が確定申告する場合も同様に注意が必要です。配偶者や扶養親族が確定申告任意の所得につき確定申告すると、合計所得金額が増える結果、配偶者控除や扶養控除の適用が受けられなくなることもあります。
実際に確定申告をする前に、シミュレーションを行ったり、税務署や税理士などに相談することをお勧めします。

本コラムに記載された税金に関する記述は一般的な取り扱いを説明したものです。他の所得の状況をはじめ、さまざまな要因により本コラムの記載内容とは異なる取り扱いとなる可能性があります。ご不明な点は税務署や税理士等へご相談ください。