今日の為替ウォーキング
今日の一言
過ちを犯したことを悔やんで、あれこれと取りつくろおうと心配するのは、たとえば茶碗を割って、そのかけらを集めて合わせてみるようなもので、何の役にも立たぬことである - 西郷隆盛
I'm In The Mood For Dancing
FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの多くが利下げに後ろ向きの考えを示していたのは、わずか3カ月前のことだ。6月のFOMC会合後に公表した経済見通し(SEP、Summary of Economic Projections)では、メンバーの過半数が今年の利下げ見通しを1回(以下)と予想していた。
パウエルFRB議長がその時心配していたのは、FRBが利下げすることで金融市場が急速に緩和状態になり、経済がオーバーヒートを引き起こすことでインフレ率を2%まで低下させるチャンスを台無しにしてしまうことだった。
ところが、FRBが利下げをためらっているうちに、米国の今年の失業率はわずか半年の間に3.7%から4.1%まで上昇した。リセッション時(景気後退期)以外で起きることはめったにないといわれるほどの急上昇である。
マーケットが、ファンダメンタルズを無視した緩和状況に逆戻りするというのは杞憂だ。より急激でより大幅な利下げが必要になるリスクが高まるなかで、FRBは、利下げもっと早くに開始するべきだったという見方は少なくない。
2021年から2022年にかけて米国でインフレが上昇し始めたとき、FRBは「インフレは一過性にすぎない」と痛恨の判断ミスをした。「早すぎる利上げは健全なインフレの芽を摘む」などという理屈でインフレが上昇するなかでも利上げすることに抵抗した。その結果、米国のインフレ率はギズモからアッと今に凶暴なグレムリンに変貌して、一時9%台まで暴走した。
9月のFOMC会合でFRBが異例の0.50%の大幅利下げを決断した理由は、3年前と同じ轍は踏まないという強い意志の表れだったのかもしれない。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
コーンチャート分析