ドル/円相場が10円円高になると、日経平均株価は786円下落する
上の推計式を用いて、NYダウを3万5,000ドルから4万7,000ドル(2,000ドル刻み)、ドル/円相場を1ドル160円から1ドル130円(5円刻み)に設定し、日経平均株価がどのような値になるか試算したものが図表3のマトリックスです。
<図表3 日経平均株価マトリックス(為替と米株の影響)>
試算では、景気動向指数を2024年4~6月期の値、10年金利を現状とほぼ同じ0.90%で固定しています。つまり、景気や金利が今と変わらないという前提のもとでの試算になります。
まず、試算から得られた重要な結論の一つ目は、ドル/円相場が10円円高になると日経平均株価が786円下落するというもの。つまり、このマイナス786円が、10円の円高が日経平均株価に与えるインパクトということになります。
従って、現在の環境とほぼ同じ、NYダウ4万1,000ドル、1ドル145円のときの日経平均株価3万8,054円を現在位置と考えれば、今より10円円高になると日経平均株価は786円低い3万7,268円(表中、赤点線の囲み)に下落し、1ドル130円になれば3万7,000円を割ってくることになります。
NYダウが1,000ドル下落すると日経平均株価は770円下落する
また、重要な結論の二つ目は、NYダウが1,000ドル下落すると日経平均株価が770円下落するというものです。すなわち、このマイナス770円が、NYダウが1,000ドル下落したときの日経平均株価に与えるインパクトということになります。
従って、現在位置である3万8,054円は、NYダウが1,000ドル下落すると、770円安い3万7,284円に下落します(表中、青点線の囲み)。
ここで、ドル/円相場が10円円高になったときと、NYダウが1,000ドル下落したときの日経平均株価に与えるインパクトがさほど変わらないことに気づくと思います。ということは、為替が10円円高になっても、NYダウが1,000ドル上がれば、日経平均株価へのインパクトは相殺されることになります。