日経平均4万円超えの条件と注意点
このように、米国からの材料面では、インフレの動向を見極める必要があるものの、日経平均が4万円台を目指す展開は十分にあり得ると思われます。
さらに、国内材料を見ても、そろそろ衆議院の解散総選挙へ向けた動きが活発化しますが、選挙期間中の株価が上昇しやすい経験則(アノマリー)があることや、為替の水準も1ドル=148円台まで円安に戻していることなども、日経平均4万円台に向けてプラスに寄与しそうです。
また、今週はファーストリテイリング(9983)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)など、消費関連企業の決算を受けた個別株の反応も注目されそうです。
それに対して、注意が必要なのが緊迫化する中東情勢の動向です。10月1日のイランによるイスラエル攻撃の報復として、近いうちにイスラエルによるイランへの攻撃が想定されています。
特に、週初の10月7日(月)は、パレスチナの武装組織のハマスがイスラエル南部のレイムで開催された音楽フェスを襲撃し、多数の死者と人質をとった事件からちょうど一年が経つというタイミングのため、警戒感が強まると考えられます。
また、イスラエルの報復攻撃の対象がどこになるのか、そして、その規模がどのくらいになるのかも注目されていますが、イランの核施設への攻撃について、バイデン政権は否定的な見解を述べている一方、大統領候補のトランプ氏は肯定的な発言をしており、中東情勢が米大統領選の動向にも影響し始めつつあります。
状況によっては、事態がさらに悪化する可能性は思っているよりも高いかもしれません。
このほか、今週末の11日は、国内オプション取引・mini先物取引のSQ日という需給イベントが控えているため、相場が動き出した際には加速装置のような役割をすることも考えられます。
そのため、仮に日経平均が4万円台に乗せたとしても、足元の相場地合いが楽観と警戒で揺れ動きやすい以上、短期的になってしまいやすく、中長期的な上昇基調として持続できるかについては、今後本格化する企業決算などを確認する必要があると思われます。