外国人売買が、日経平均を急落・急騰させている

 過去30年以上、日本株を動かしているのは、海外投資家です。特に、海外投機筋の先物売買が日経平均の短期的な動きに与える影響は大きいです。

 今回の日経平均急落・急騰も、外国人の売買によって引き起こされています。

日経平均と、外国人投資家の日本株売買動向(売り越し・買い越し):2023年1月4日~2024年8月16日(外国人売買は8月9日まで)

出所:東証データ・QUICKより楽天証券経済研究所が作成。外国人売買は、株式現物と株価指数先物の合計

 7月以降、日経平均は、いったん4万2,000円超えに急騰してから、3万2,000円割れまで急落しました。「米景気堅調・米国株高・円安」ストーリーが続くとみて、外国人投資家はいったん日本株を積極的に買い、日経平均を4万2,000円超えに押し上げました。

 ところが、その直後から、「米景気悪化・米国株下落・円高」の不安が高まり、外国人は大慌てで日経平均先物を売ってきたと考えられます。

 まだ売買統計はでていませんが、その外国人投機筋が、8月5日以降は、「米景気への不安低下・米国株上昇・円安」を受けて、また日経平均を買ってきたと考えられます。

 7~8月の日経平均乱高下に、外国人投資家の先物売買の影響が大きいことが、以下の表をご覧いただくと分かると思います。

日経平均騰落幅と、外国人売買(買い越し・売り越し):2024年6月24日~8月16日

出所:東証データ・QUICKより楽天証券経済研究所が作成。外国人売買は、株式現物と株価指数先物の合計、億円未満概数のため、合計が一致しないことがある

 日本株の投資方針については、いつも述べていることと、変わりません。日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいと考えています。日経平均は5年以内に5万円まで上昇すると予想しています。

 ただし、短期的にはこれからも急落・急騰が続く見込みです。従ってリスク管理は大切です。時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。

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