為替市場の動きに注意
このほか、目先の日本株で注意したい点として、為替市場の動きが挙げられます。先ほども述べたように、米国の利下げ幅拡大などの議論が浮上してきた際には、日米の金利差縮小観測による円高が進行し、日本株の重石になってしまう展開も考えておく必要があります。
図5 日経平均と米ドル/円の動き(日足)(2024年8月30日時点)
先週末30日(金)の為替市場では、1ドル=146.2円あたりとなっていますが、7月に公表された日本銀行短観での2024年度のレートが144.77円(全規模・全産業)となっているため、ここからさらに円高が進んでしまうと、企業業績の円安効果が剥落することになり、現在の為替レートは株式市場が敏感に反応しやすい水準であることは、前回のレポートでも触れた通りです。
上の図5は、日経平均と米ドル/円の推移を示していますが、日経平均が3万8,000円から4万円以上を駆け上がっていた、3月から7月にかけての為替市場は、1ドル=150円以上の円安局面となっていることが分かります。
図1で、3万8,000円から4万円の価格水準は株価の抵抗帯として意識されやすい旨を述べましたが、為替水準の面からでも、ここからの株価の上値を抑える「足枷」になりそうなことがうかがえます。継続的な株価上昇には、為替の後押し(円安)以外の買い材料が欲しいところです。