方向性を欠く外為市場、キャリートレードは衰えず?
日本は当面利上げしないし、米国も当面利下げしない。欧州や英国の金融政策もはっきりしないし、金融政策の方向性に大差はなく米国との差異もあまり感じられない。このような状況が外為市場をレンジ相場に追い込んでいる。
ドル/円、ユーロ/ドル、ポンド/ドルの日足と週足を見てみよう。
ドル/円(日足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ドル/円(週足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ユーロ/ドル(日足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ユーロ/ドル(週足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ポンド/ドル(日足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ポンド/ドル(週足)
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出所:楽天MT4・石原順インディケーター
FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事は5月21日、「物価データの軟化が今後3~5カ月間続けば、金融当局は年末の利下げ実施も検討できるだろう」と述べた。米金融当局は、膨大な利払いや銀行の国債評価損に対処するために利下げをしたいが、粘着性のインフレが収まらないという苦しい状況に追い込まれている。
ゴールドマン・サックスは、「本日のウォラー理事の演説での発言により、最初の利下げが7月の当社の予想より遅くなるリスクが高まった」とコメントした。また、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは「政府支出」により米経済の回復力が高まっていることから、米金融当局が今年利下げを行うことはないとの見方を示した。
米国は利上げで債務急増、利下げでインフレ危機という袋小路に入ってしまったし、日本はそもそも金利を上げられない国である。こういった相場では圧倒的な金利差から円キャリートレードの優位性が強調されてしまう。従って円相場だけは他の主要通貨と若干違う動きになるだろう。当面は円売りが続くということである。
米国の経済指標に一喜一憂してそれなりに動いているが、今の円相場にあるのは介入による「ふるい落とし」と「押し目買い」だけだ。従って、相場はランダムになる。