日経平均は小動き

 米国株が強いことが、日本株にとっても強材料となっています。ただし、日本株は足元、強弱材料が拮抗(きっこう)し、上下とも大きくは動きにくくなっています。

日本株の主な強材料

【1】米景気堅調、米国株が強いこと(米金利高止まりは弱材料)
【2】日本も景気堅調、前期(2024年3月期)決算は、想定以上に強かった

日本株の主な弱材料

【1】日本企業の業績モメンタム低下。今期(2025年3月期)業績予想が保守的(低め)
【2】中国景気低迷(足元、回復期待はあるが不透明)、米中対立による世界経済分断

 足元、特に注目されているのは、日本の企業業績のモメンタム低下です。ちょうど、2024年3月期決算が出そろいました。前期(2024年3月期)実績は想定以上に強かったが、今期(2025年3月期)の企業業績(会社予想)が保守的(低め)であることが、日本株の上値を抑えています。

東証プライム上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期予想

出所:楽天証券経済研究所が作成、2025年3月期について会社予想を発表しない一部企業については市場予想を使用

日本株の投資判断

 日本株は割安で、長期的には上値余地が大きいと考えていますが、目先、円高に反転するときや、米国株が反落するときは、ショック安となるリスクもあり、注意が必要です。

 時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

 先週(5月23日)に、予想配当利回り3.4%のNTT(9432)の買い推奨レポートをお届けしました。個別銘柄に投資する場合、先行きに不透明感がある時は、NTTのような景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな高配当利回り株に投資するのもよいと思います。NTTの投資判断について、詳しくは、以下のバックナンバーを参照してください。

▼著者おすすめのバックナンバー

2024年5月23日:利回り3.4%、NTTの「買い」継続。高利回りの安定成長株として評価(窪田真之)
2024年5月16日:三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続。2期連続で最高益見込む、金利上昇が追い風(窪田真之)