昨日(2012年11月16日)の動向
先週末の東京市場では、急速な円安による反動や実需の売り圧力を受け81円台を割り込む動きがみられましたが、この日の講演で自民党の安倍総裁が「日銀法改正を視野に入れた大胆な金融緩和を実施する」と、追加の金融緩和に積極的な発言をしたことから、ロンドンタイム早朝には円安に持ち直す展開となりました。
その後は欧州株が下げ幅を広げたことに加え、イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫化したことによる地政学的リスクが高まり、ユーロ/ドルなどドルストレートでドル買いがみられました。NYタイムでは「財政の崖」回避に向けてオバマ大統領と共和党が協議を開始し、序盤は警戒感が根強かったものの、ベイナー共和党下院議長が「思い切りある歳出削減に加え歳入増に関し検討した」と述べたことで両党の歩み寄りが期待されたことからNYダウは持ち直し、ユーロ/ドルにもショートカバーが入りました。
ドル円は81.50を試す動きもみられましたが、今週は急速に上昇しただけにそのラインを突破する動きは見られませんでした。
2012年11月16日のBID値 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 81.161 | 81.433 | 80.894 | 81.342 |
ユーロ/円 | 103.702 | 103.875 | 103.027 | 103.638 |
豪ドル/円 | 83.843 | 84.148 | 83.449 | 84.115 |
米ドル/円 1時間チャート
ユーロ/円 1時間チャート
豪ドル/円 1時間チャート
本日(11月19日)の展望
【米ドル/円】
米財政の崖回避期待に加え、本日から開催される日銀政策決定会合で追加緩和が議論されるとの期待感から、ドル円は底堅く推移するとの見方が優勢です。81.50円にはオプションの防戦売りが観測されているものの、81.50を超えるとストップロスが控えており、82円台を目指す展開となるのか注目したいところです。
レジスタンス R1 | レジスタンス R2 | サポート S1 | サポート S2 | |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 82.00 | 84.17 | 80.89 | 79.25 |
米ドル/円 5分足チャート
【ユーロ/円】
20日に再度予定されているユーロ圏財務相会合が終了するまでは、ドル円に牽引される神経質な展開が予想されます。テクニカル的には、上値はレジスタンスラインである104円ちょうどレベルが意識される一方、下値は200日MAにあたる102.20円レベルが意識されそうです。
レジスタンス R1 | レジスタンス R2 | サポート S1 | サポート S2 | |
---|---|---|---|---|
ユーロ/円 | 104.00 | 104.50 | 102.50 | 101.93 |
ユーロ/円 5分足チャート
【豪ドル/円】
目先84円台に乗せたことから、4月の高値84.70円を試す展開が予想されそうです。一方でIMM通貨ポジション動向では豪ドルなどの資源国通貨の買い越し傾向が続いているだけに過熱感もあることから巻き戻しの展開にも注意したいところです。また、先週からドルストレートにも動きが出始めているだけに、ドル/円や豪ドル/米ドルの動向にも注目が必要です。
レジスタンス R1 | レジスタンス R2 | サポート S1 | サポート S2 | |
---|---|---|---|---|
豪ドル/円 | 85.47 | 86.15 | 83.18 | 82.50 |
豪ドル/円 5分足チャート
- ※ 上記各5分足チャートは、当日 10:00 現在のものです。
- ※ コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線
本日(11月19日)の主な指標
注目度 | 発表時間 | 指標 | 予想 | 前回 |
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★ | 24:00 | (米)11月NAHB住宅市場指数 | 41 | 41 |
★★ | 24:00 | (米)10月中古住宅販売件数(季調済・年率) | 475万件 | 475万件 |
★★ | 24:00 | (米)10月中古住宅販売件数(前月比) | -0.1% | -1.7% |
- ※ 発表時間はいずれも東京時間
- ※ 注目度は★低~★★★高で示します