AI運用によって、昨今の市場には大きな変容がみられる
さて、相場の世界ではもうAI運用がどうなっているのかは分からない。筆者は2001年にシカゴで某巨大ファンドを訪ね、AI運用の実践取引をみてきた。20年以上も前にAIは既に熟練取引者のような取引をしていたのである。
以下の記述は、日本で最も相場で財をなした人の最近の発言だ。
もうすでにAIは将棋界タイトル八冠の藤井聡太よりも強くなる、強くなっている。AIは数年後には人間の叡智の総数を越えるとされている。AIはすでに自律性や適応性は持っている。ただこれでは、カシオの電卓の能力が飛躍しただけだから心配ない。人間よりも演算能力が何億倍あろうと、人間のような感情を持っていないので、単なる機械なのだ。しかし、もしAIが感情をもったならば話しは違ってくる。映画「アーカイブ」ではアンドロイドロボットが感情をもつ。ロボットが嫉妬して自殺までする。科学者は、ある命題のもとにいろいろな実験をやりたがる、きっとAIに感情を持たせようとする。いつかきっとそれが成功する。感情の一つに支配欲があり、これを今までの支配者の何億倍ものレベルになるから恐ろしい、トランプが可愛く思える。瞬時のうちに、まず世界中のAIはコントロールされ、スマホやさまざまなアプリはすべて監視用のために使われる。コンピュータで制御されている物は全て思い通りに動かさられる。この危険性は、AIの生みの親たちは全員認識している。映画「ターミネーター」では時空を越えて人類は、機械に挑んで何とか勝利しているが、現実になると人間に全く勝ち目は無い。最近の相場は、AIロボットの影響がものすごく大きい。20年ほど前からルネッサンス・テクノロジーはAIをすでに導入していたが、最近では次々とAIを使い始めている
AI運用によって、昨今の市場には大きな変容がみられる。ドル/円にほとんど押し目がないのもAIやアルゴリズムが上値を買うからだといわれている。
だが、相場はいつも同じだ。ジェシー・リバモアは、「ウォール街にあるいは株式投資・投機に新しいものは何もない。ここで過去に起こったことは、これからもいく度となく繰り返されるだろう。この繰り返しも、人間の本性が変わらないからだ」と述べた。
米国株式市場は非常に過大評価されており、大幅な調整が起こりやすい。この調整がいつ、どのように起こるかは予測できないが、スタンレー・ドラッケンミラーは最近の相場は1987年のブラックマンデーの前と酷似しているという。
Peruvian BullのXへの投稿によれば、
S&P500のパフォーマンスを世界金融危機以降の連銀のバランスシートで割ると、線は平坦になる。これは、2008年以降、株価に実質的な成長がほとんどなく、マネープリンティング(紙幣の増刷)による価格上昇のみがあったことを意味する
という。
S&P500のパフォーマンスを連銀のバランスシートで割った線
スタンレー・ドラッケンミラーはYouTubeの対談で以下のように述べた。
歴史的に2つのことが起こりやすいことがわかっている。第一に、「資産バブル」に続いて、「最悪の経済的結果」が生じる傾向があること。第二に、私たちの業界の大きな原則は「連邦準備制度と戦うな」ということである。私は今、これまで見た中で最大かつ最も広範な資産バブルを見ている。それは10年から11年続いており、今やグランドフィナーレを迎えている。私はここに座って、おそらく最大かつ最も広範な資産バブルを目の前にしている。これまで見てきたことや、これまで研究してきたことは忘れてほしい
出所:YouTube『キリル・ソコロフ、スタンリー・ドラッケンミラーと対談』
先週、金曜日にエヌビディアの株が10%も急落したのは、スタンレー・ドラッケンミラーがエヌビディアのポジションを売却したという未確認のうわさが流れたためだ。今年はセル・イン・メイに注意が必要かもしれない。