クイズの正解:時価総額が純資産の半分しかない【2】
正解は【2】です。【2】はPBR0.5倍を示しています。
【1】はPBR2倍を示しています。
PBR0.5倍とは、株式時価総額が、資本の半分(0.5倍)しかない状態です。
PBR2倍は、株式時価総額が資本(純資産)の2倍、という意味です。
PBR1倍とは
PBR1倍ならば、株式時価総額=純資産(自己資本)です。
1億円出資して設立、1億円借金し、合わせて2億円の資産を持つ企業を考えてください。その企業がいきなり株式市場に上場したとして、株式時価総額はいくらになるでしょう。まだ何もしていない会社ですから、普通に考えれば1億円です。それが、PBR1倍です。
純資産1億円でも、将来、利益をどんどん稼ぐ期待が高ければ、株式時価総額は3億円になることもあります。この状態が、PBR3倍です。ところが、将来、赤字が続いて資本を食いつぶしていくと考えられれば、株式時価総額は5,000万円となることもあり得ます。
その状態が、PBR0.5倍です。このように、PBRには、投資家による、企業の将来性への評価が反映されます。
なぜ今、PBR1倍割れ銘柄が注目されるのか、東証が改善要請
東京証券取引所の上場企業で、「PBR1倍割れ」銘柄が半数近くを占めています。財務内容が悪くて、収益力に問題があってPBR1倍を割れている銘柄ばかりならば、やむを得ませんが、そうではありません。財務内容が良好で、収益力もそこそこ安定しているのに、PBR1倍を割れている企業が、日本にはたくさんあります。
自社株買いを増やしてROE(自己資本利益率)を高めるなど、株価を上げる努力が足りないことが原因と考えられます。
これに対して、東京証券取引所は、PBR1倍割れなど株式市場での評価が低い企業に対して、「株主価値改善策の開示と実施」を要請しました。これを受けて、PBR1倍割れなど割安株で、自社株買いを増やす動きなどが出ています。
そういう背景があって、今、日本株市場で、PBR1倍割れ銘柄が注目されています。