自社製チップセット搭載のAIサーバー、2024年以降の利益成長けん引へ

現地コード 銘柄名
00763

中興通訊

(ZTEコーポレーション)

株価 情報種類

17.92HKD
(3/11現在)

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 中国の通信設備大手、中興通訊の2023年10-12月期の純利益は前年同期比18%増の15億元と、BOCIの予想を3.6%下回った。無線ネットワーク機器の増収を受け、全体の粗利益率は低下したが、携帯端末および政府機関・企業向け業務の粗利益率の改善が一部カバーした。BOCIは自社製チップを搭載したAI対応サーバーの発売が、2024年以降の利益成長をけん引すると予想。2024-25年の売上高および利益見通しを減額修正したのに伴い、目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 10-12月期の売上高は前年同期比14.7%増の348億5,700万元。過去2四半期の減収を経て、増収に転じた。通信キャリアによる5G無線ネットワークの入札の実施が寄与したもよう。ただ、通信キャリア向けネットワーク事業の粗利益率は、2023年上期の54.2%から、同年下期には44.2%に低下した。

 コンシューマー製品事業および政府機関・企業向け事業の売上高は、10-12月期に前年同期比ほぼ横ばい。下期では同1.5%の減収となった。国際市場における携帯端末の販売減や、インフラプロジェクト向けの政府支出の減速が響いた。

 粗利益率は7-9月期に、最近では最も高い44.6%を記録した後、10-12月期は36.0%。下期では39.9%に低下した。通信キャリア向けネットワーク事業の製品構成の変化や無線ネットワーク機器の売上比率の上昇が背景。ただ、キャリア向けネットワーク機器では、より高度な自前のチップセットを用いた垂直統合の強化が、粗利益率を下支えする役割を果たした。

 BOCIは2024-25年の予想売上高を6%、8.9%減額修正。予想純利益を0.3-1.1%引き下げた。売上構成の変化やキャリア向けネットワーク事業の予想粗利益率の下方修正を反映させたため。修正後利益に基づく2026年まで3年間の利益成長率は、年率平均7%となる。通信キャリアの設備投資、特に5G無線ネットワーク向け投資が鈍化していることを踏まえ、この先、自社製チップセットを搭載したAIサーバーや一般サーバーの投入が重要性を増すと指摘。キャリア向けネットワーク部門と政府・企業向け部門の双方で、サーバー製品の貢献度が大きく高まる見通しを示している。

 BOCIは2024年予想PER(株価収益率)で8.7倍をあてはめ(9.8倍から下方修正)、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、サプライチェーンの混乱や、主要部品および半導体などの供給不足の可能性を指摘。これが同社利益にとって最大の不確定要素になるとした。また、中国国内の売上構成比が70%を超える事情から、中国経済に変動が起きた場合、同社収益に影響する可能性を指摘している。