資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動を分かりやすく解説します。

お悩み

株主優待に興味があるけど、気になる銘柄を買えばそれでいいのか?

鈴木明博さん(仮名)会社員・50歳(既婚、共働き、子供いない)

 鈴木さんが休日に自宅でのんびりしていると妻が頼んでいた株主優待でお米が届きました。

 そういえば最近いろんな株主優待が我が家に届くことが気になっていました。自分も株式投資は昔から多少やってはいて、値上がりしそうな株式や配当が高い銘柄を選ぶことはあっても株主優待はあまり気にしたことがありませんでした。

 取引のあるネット証券で調べてみると、株主優待で20項目以上の優待内容や権利確定月、優待獲得に必要な最低金額などいろんな項目で調べられることを知って、まだ株式を購入していないのに調べるだけで楽しくなってきました。

 そうなると妻がお米を優待で選んでくれていたので、相談しながら自分も優待銘柄へ投資してみようという気になってきています。ただ優待のことを考えながら株式投資をしたことはなかったので少し銘柄選びに不安もあります。

 鈴木さんが株主優待を楽しみながら、うまく活用していくにはどうしたらいいのでしょうか? 

株主優待で損をしないポイント、実践する人が陥りがちな失敗、そして活用法とは?

 3月は日本企業の大多数が本決算を迎える大切な決算シーズンです。それは同時に優待投資にとって最も盛り上がる月です。3月の第2金曜日には日経平均先物・オプションのメジャーSQ(特別清算指数)もあることから日本株にとって大きな変化が起きやすい月でもあります。

 何度かお伝えしていますが、優待投資は株式投資の一種ですから基本的にハイリスクな投資といえますが、それだけにうまくいけばハイリターンも期待できます。優待狙いの方は優待がもらえたらそれでいいという方もいるでしょうが、株式投資であることを忘れて株価の値下がりで損をしては本末転倒です。

 以前には優待投資をする際に損をしないために「事前に知っておきたい」ポイントをお伝えしました。

「やってはいけない優待投資!損をしないための鉄則3選」

鉄則1:優待内容を最優先で投資をしないこと
鉄則2:優待クロスorつなぎ売りの活用も検討すること
鉄則3:優待が廃止・不要になる可能性も考えておくこと

 その後に、優待投資を「実践する人に陥りがちな失敗」をお伝えしました。

「優待投資、始める前に知っておきたい注意点3選」

注意点1:投資する銘柄を増やし過ぎないこと
注意点2:優待銘柄がもらえる条件を確認すること
注意点3:購入するタイミングを焦らないこと

 そして、今回は株主優待をする人に知ってほしい「優待投資の活用法3選」をお伝えします。

損したくないなら知っておくべき活用法1: 優待の付加価値を利用する

 株主優待銘柄を選ぶときには、その企業の株主優待に興味があるかどうかで選ぶという人がほとんどでしょう。それと同時にその優待内容や株式の配当利回りを考えて投資することが一般的になっています。

 ただ株主優待を単に利回りで比較するのは優待投資のやり方の1つにすぎません。以前は個人株主数を増やすことが主目的だった優待も、今では企業の知名度向上や広告効果などマーケティングに利用されています。

 そして、個人で優待投資をするなら自分の家計や娯楽に生かせる優待を選ぶことも選択肢の1つです。単に利回りに着目するだけでなく、優待内容によって自分の生活費を節約できるものや、娯楽に使う費用を減らせるものであれば、経済的にはより高い効果があるといえます。

 こうした優待内容の中には、「自分にとって」価値が高いものや、地域が限定されていて優待ランキングには載ってこない企業の優待もあります。そうした優待を見つけてうまく活用することが優待投資の醍醐味(だいごみ)でもあります。単純な利回りや優待でもらえる商品券だけでなく、「自分なりの付加価値」を探してみましょう。