パウエルFRB議長の議会証言

 昨日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言は玉虫色であった。冒頭で利下げ開始時期を「今年のある時点」と曖昧に表現し、その後の発言内容は1月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明の繰り返しであった。その曖昧さから株式市場の上昇を11月の米大統領選挙まで引っ張りたいという思惑は伝わってきた。

 米民主党が大統領選挙で勝つには、株価が高いことが必須条件である。2020年の選挙での民主党の勝利は若年層がバイデンに投票したからだ。バイデンは2020年の選挙で、18歳から24歳の投票者の65%を獲得した。従って、この層の支持を維持するのはAIバブルを維持しビットコインを高くしておけばいい。

エヌビディア(週足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ナスダック100CFD(週足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 株価は短期的には買われすぎだが、シリコンバレーバンク破綻以降はステルスQE(量的緩和)による過剰流動性が下支えとなり、株価が上昇を続ける可能性は高くなっている。バブルであろうがなかろうが、人工国家米国による自作自演の選挙相場が展開されている。