デイトレードとは
1日のうちに、ポジションを決済し、翌日にポジションを持ち越さないトレードを、デイトレードと言います。デイトレードには、「買いから入って売り決済する方法」と、「信用売りから入って買い決済する方法」があります。
今日は、かぶミニを使って「買いから入って売り決済する」デイトレードについて解説します。
【1】楽天証券の「かぶミニ」を使うと、日本株を1株単位から売買できます。
【2】「成行注文」だけ出せます。
【3】リアルタイム取引(東京証券取引所がの取引時間中にいつでも注文が出せる取引)と、寄付取引(前場の寄付のみ売買できる取引)の2種類があります。それぞれ、対象銘柄は以下の通りです。リアルタイム取引・寄付取引 対象銘柄はこちら
【4】デイトレードに使えるのはリアルタイム取引銘柄だけです。対象銘柄数は、2月5日時点で736銘柄です。かぶミニでは信用取引はできませんので、「買いから入って売り決済する」デイトレードだけできます。
それでは今日は、まだデイトレードをやったことのない人のために、どのように始めるべきかアドバイスします。前半でデイトレードをやる心構えについて、後半でデイトレードで使える具体的テクニックについて、解説します。
まずはクイズ!買うならどちらの株?
<クイズ>
A社とB社、買うならどっち? 以下の株価チャートを見て判断してください。
これはデイトレードのクイズではありませんが、デイトレードと基本的な考え方は同じです。トレードの鉄則は「強いものにつく」こと、ここで買うならばB社です。もし、A社株を保有しているならば、即座に売るべきです。
A社は、売買高が急増して株価が急騰しています。急に出た悪材料で、売り手が大慌てで売り始めたと思われます。急落してまだ日が浅く、これからさらに売りが増えて株価はさらに下がると予想されます。
B社は、売買高が急増して株価が急騰しています。急に出た好材料で、買い手が大慌てで買い始めたと思われます。急騰してまだ日が浅く、これからさらに買いが増えて株価はさらに上がると予想されます。
ピンと来ない人のために、株価チャートを買い手と売り手の戦(いくさ)に見立てて説明します。売買高は、戦っている兵の数を示します。
まず、A社チャートをご覧ください。当初買い手が売り手を圧倒、売り手は負け続けてどんどん逃げていきました。その内、追手が減り、戦線は膠着(こうちゃく)しました。そこに突然、新手の売り手大軍が現れて一気に買い手をたたきつぶしたところです。戦況は一変し、買い手が必死に逃げていくところを、売り手が猛追しています。
さてこの状況で、あなたがどちらかの味方に付いて参戦するとしたら、どちらに付きますか。売り手に付いた方がいいのが、分かるでしょう。
B社はその逆です。戦線が行き詰まったところで、突然、新手の買い手大軍が現れて、売り手はさらに奥地へ必死に逃げていくところです。ここで参戦するならば、買い手についた方が有利でしょう。
習うより慣れよ、ワクワク感を持ってゲーム感覚でできるポジションから
どうしたらデイトレードで勝てるか、いろいろ教えられるより実際にしてみた方が早く身に付きます。ただし、その前に、考えるべきことがあります。あなたが、デイトレードをするべきかどうか、考えてください。
どちらが良いか、答えは皆さまの心の中にあります。株価チャートを見ながら売買タイミングを考えることにワクワクするならば、少ししてみて良いと思います。
仕事や家庭が忙しくて株を売買するタイミングなんか考えたくない、株価チャートを見てもワクワクしないならば、デイトレードはせずに積み立て投資だけにすべきです。
私は25年間日本株のファンドマネジャーをしてきて、たくさんのファンドマネジャーを見てきました。勝ち続ける人にいろいろなタイプがありますが、ひとつの傾向があります。いつもゲーム感覚でわくわくしながら楽しんでいる人が勝ちます。負けた時は「やられたぁ」と笑って失敗をひきずりません。
一方、非常に真面目でいつも真剣勝負、「お客さまの命の次に大切なお金を預かっている」と責任感の強いタイプは、往々にしてプレッシャーに押しつぶされてボロ負けします。
従って、私からの皆さまへのアドバイスは、「ワクワクするならやってみて、ワクワクしなくなったら止めましょう」。自分の心に従ってください。
買っても負けても楽しめるポジションから始めることが大切です。「ゲーム感覚」でわくわくし続けられるポジションを超えてはダメです。それがいくらか、人によって異なります。
あなたは100万円投資した株が10%値下がりしたら、「やられたぁ! 次がんばろ!」と笑いながら損切りできますか?「そりゃ無理」と思うならば、100万円はあなたにとって、大き過ぎるポジションです。
では10万円投資した株が10%値下がりしたら、笑いながら損切りできますか?「それも無理」ならば、10万円もあなたにとって、大き過ぎるということです。
それでは1万円投資して10%下がったら、笑いながら損切りできますか? 1,000円の損です。「それくらいならば損切りできる」「でも笑いながらは無理かな」ならば、1万円から始めてOKと思います。
デイトレーダーになるつもりのない方でも、少しだけデイトレードを経験するのは悪いことではないと思います。買っても負けても、必ずその日のうちにポジションを閉じる、負けた時は必ず損切りすることを繰り返すと、「損切り」がうまくなります。
長期の資産形成であっても、損切りが必要な局面はあります。少しだけデイトレードを経験しておけば、その感覚を身に付けることができます。
くれぐれも、ゲーム感覚でできる金額にとどめてください。金額が大き過ぎると「恐怖」や「欲望」が邪魔して純粋なトレードができなくなります。ゲーム感覚でできる範囲で勝負すれば、あなたの心の声・野性のカンにしたがってトレードできます。それで良い結果が得られるか、チャレンジしてみてください。Good Luck!
以上、デイトレードにチャレンジする前の心構えについてお話ししました。それでは次に、デイトレードで勝つための手法を一つ、ご紹介します。