自助

 最後に自助ですが、これは民間の介護保険などを利用するか、自分のお金を手元金融資産として積み上げておくというのが選択肢になります。

 なお、民間の介護保険は、基本的に介護医療保険料控除として年間最大4万円まで所得控除になりますので、一定額までは税制優遇があることになります。

 では、民間の介護保険で備えるべきでしょうか。それとも、手元金融資産で備えるべきでしょうか。

 冒頭で説明した介護費用の平均は約550万円ということですので、60歳前後に向けて老後資金を準備されているのであれば、介護費用も含めて気持ち多めの老後資金を準備しておけば、それでよいのでは、と基本的には考えています。

 というのも、お金で準備しておけば、介護という使途にとらわれず何にでも使えますので、自分が介護にならなかった場合は、自分たちが旅行を楽しんだり、お子さんたちに贈与したり、と、自由に使うことができるからです。

 ただ、保険で備えておいた方が安心という方もいらっしゃると思いますので、最後は好みの問題かと思います。

最後に

「介護」のリスクに対して、お金の面でどのように備えられるのか、公的な保障、職場の保障、自助と見てきました。

 まずは、公的介護保険の内容をしっかりと理解しておくことが大切です。その上で、必要に応じて、基本的には自助で準備していく、というのが介護に備える基本的な考え方になるかと思います。

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ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。YouTube「資産形成ハンドブック」も人気上昇中。

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