「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第8回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

積み立て投資で効果を発揮する「ドルコスト平均法」

 これから資産形成を考えている方は、月々1万円とか2万円とか、金額を決めて積み立てていくのが良いと思います。積み立て投資は、日経平均株価(225種)やS&P500種指数(米国を代表する株価指数)などの指数に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)のような、値動きの荒いアセットへの投資に適しています。

 積み立て投資の威力(ドルコスト平均法)を理解いただくために、簡単な例を作りました。まず、以下のクイズを解いてみてください。

今日のクイズ:値動きが乏しい投信と激しい投信、積み立てるならどっち?

<クイズ>以下の投信A・投信Bに、1カ月後と2カ月後に1万円ずつ投資した場合、3カ月後の資産価値は、どちらが大きいでしょう?

◆【投信A】値動きが乏しいアセット
 1万円でスタート、1カ月後、2カ月後、3カ月後も1万円のまま。

◆【投信B】値動きが激しいアセット
 1万円でスタート、1カ月後に1万2,000円に上昇(スタート時より+20%)、2カ月後に8,000円に下落(スタート時より▲20%)、3カ月後にスタート時の1万円に戻る。 

 投信A・投信Bはどちらも、1万円でスタートして、3カ月後も1万円です。ところが、積み立て投資した場合、投信Aと投信Bでは3カ月後の資産価値に差が生じます。

●荒れないより荒れた方が良い?

 日本株・米国株とも急落・急騰を繰り返しながら上昇しています。日経平均あるいはS&P500に連動するインデックスファンドやETFに積み立て投資をしている方には、落ち着かない日々が続きます。

 大荒れの資産に投資する時、投資タイミングに迷います。長期的に上昇する期待があるとはいっても、短期的にいきなり急落することもあります。投資した途端に急落しないか不安です。

 そんな時、有効なのが積み立て投資です。毎月一定額を投資し続けることで、投資タイミングのリスクを軽減できます。いつ投資したら良いか考えるわずらわしさから解放されます。

 それに加え、もう一つメリットがあります。積み立て投資で大荒れの資産に投資すると、「ドルコスト平均法」でリターンが拡大する期待があることです。今日は、ドルコスト平均法の効果を計算によって実感していただくクイズです。