金融政策は転換局面、年明け向け1ドル=145~150円か140~145円のレンジか
そしてFOMCが終われば、再び日銀の政策変更期待が強まる可能性があり、円高に振れやすくなるかもしれません。
日経新聞の観測記事のようにマイナス金利解除の予告やフォワード・ガイダンス修正への期待が高まることも予想されます。現在の指針は「必要とあれば、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」となっていますが、解除の予告はなくともフォワード・ガイダンスの修正だけでも円高材料として反応することが予想されます。
また、FOMCと日銀会合の間には14日のBOE、ECBの政策委員会があり、波乱材料となる可能性があるため注意が必要です。ユーロ圏も英国も直近のインフレ率は大きく鈍化しているため、景気を考慮してこれまでのタカ派姿勢を緩和する可能性もあります。あるいは、市場ではECBは3月にも利下げとの見方も浮上しているため、この市場の期待をけん制してくるかもしれません。
12月の日銀短観が13日朝、公表されました。想定為替レート(全規模・全産業)は2023年度下期が1ドル=139.97円と前回9月調査の1ドル=135.88円から円安となっていますが、現在の実勢レート(1ドル=145.50円)からは5円超の円高水準です。つまり、決算レートとして固めの想定レートになっていると言えます。
しかし、日米の金融政策が変わろうとする局面では、5円超の余裕があっても、先日一日で6円近くの円高を経験していることから1ドル=140円以上はしっかりと為替ヘッジ(ドル売り予約)をしていくことが予想され、これらはドルの上値を抑えていくことが考えられます(円高要因)。
来年に向けて、1ドル=145~150円のレンジになるのか、1ドル=140~145円のレンジになるのか、FOMC、日銀会合の終了後にはっきりするかもしれません。米国は緩和方向、日本は引き締め方向となれば、程度の差はあれ、これまでのバイアスと逆の方向に動きやすくなることは十分想定されます。