
【質問】がん保険は不要だと言うコラムをたびたび見ますが。実際、山崎さんはどう思いますか?
癌を患ったとお伺いした時はとてもびっくりしました。お身体のお加減はいかがですか。寒くなる日が増えましたのでご自愛ください。

【回答】民間生保の「がん保険」は不要です。
先ず、速攻で結論を述べます。民間生保の「がん保険」は不要です。自分が癌になってみても、結論は変わりません。
このテーマでは、既に何度か、書いたり話したりしていますが、マネーリテラシー上重要な事例なので、要点と考え方を述べます。
私のケースの要点を説明しましょう。
私は、がん保険に入っていませんでした。しかし、それで何の問題もありませんでした。
もちろん、がん保険に入っていれば、「結果的に」お金が貰えていくらか助かったでしょう。しかし、仮に筆者がもう一度人生をやり直すことが出来るとして、「意思決定の問題」として、がん保険に入るかというと、自信を持って「入らない」を選ぶでしょう。普通の日本人にとっては、それが正解です。
人生を何度やり直しても、現行の制度や保険の性質がすっかり変わらない限り、答えは同じです。
さて、私が支払った医療費について要点を説明します。残念ながら、筆者の癌治療は現在も継続中ですが、切りのいいところで区切って数字をまとめてみます。
私は、2022年の8月に食道癌と診断が確定し、9月上旬から抗癌剤治療で2回入院し、その後10月下旬に手術を受けてその13日後に退院しました。手術を中心とする治療としては、この時点辺りで一区切りです。以下は、2022年分の医療費の領収書から計算した数字です。
この時点で、筆者が医療費として直接支払ったお金は約235万円でした。
但し、この中の約160万円は、入院一日当たり4万円のシャワー付きの個室を選んだ意図的ないわば「贅沢」によるもので、治療のためにどうしても必要だった費用ではありません。他人に気を遣いたくなかったし、病院でも仕事をしたかったのです。
残る費用約75万円は、高額療養費制度の上限を適用しながら、主に大学病院が請求した金額を支払ったものです。高額療養費制度が適用される金額は、所得によって変化します。私はたまたま高めでしたが、平均的な所得のサラリーマンの場合、この半分くらいの支払いで済むはずです。制度は流動的なので、ネットで検索して調べてみて下さい。
私が仮に国民健康保険に加入するフリーランスであれば、この金額が大凡の「どうしても必要だった医療費」になるでしょう。大がかりな手術を伴う治療をしたにも関わらず、たいした金額ではありません。
保険診療だけで済ませると、こうした金額の負担になりますが、受けられる治療自体の質に差はありません。
そして後日、喜ばしいことがありました。
私は2022年時点では東京証券業健康保険組合の加入者だったので、同組合が設定している、医療費一回(一月当たり一人分)の支払いが2万円を超えた部分を健康保険組合が補填してくれる制度が機能して、結局、筆者がどうしても支払わなければならなかった医療費は計算してみると約14万円に過ぎなかったのです。
このような仕組みを多くの健康保険組合が備えています。会社員の読者の方は、健保組合のホームページで調べるなり、勤務先の総務部に聞いて見るなりしてみて下さい。
毎月の医療費負担の上限を決めて、これを上回った額を補填する条件が多いようです。
国民健康保険で高額療養費を適用した金額であっても、筆者が加入していた東証健保の場合の14万円であっても、たいていの人にとって貯金の一部取り崩しで十分に支払える額でしょう。
もちろん、筆者が、がん保険に入っていれば、診断時に数十万円、入院一日当たり1万円などといった保険金が支払われて、それが助けになったのはたぶん間違いありませんが、これは、癌になってみてから分かる「事後」の問題です。
保険に加入するか否かの「事前の」意思決定の段階では、厳密には、自分が将来どのくらいの確率で癌に罹って、どのくらいの出費が生じるかを推測して、これと保険料の負担の得失を考えなければなりません。これは、複雑な計算で、私に出来るとは思えませんが、詳しい数字は分からないとしても、諸々の確率その他を考えた時に、がん保険が「平均的に見て」加入者にとって大いに損で、保険会社にとって得な契約であることは計算しなくても分かります。
なぜなら、平均的加入者にとって保険が得なものなら、保険会社は潰れてしまいます。保険会社が大いに栄えていることや、がん保険を高いコストを掛けて宣伝までして売ろうとしていることなどから見て、がん保険の加入自体は、加入者にとって相当に損で、保険会社にとって余裕を持って得なものであることが間違いありません。
生命保険会社は、がん保険も含めて、保険商品のコストの内訳を公開しておらず、これは消費者保護上大問題で、顧客のためにビジネスを行っているとは認められない信用の出来ない存在ですが、彼らが、自分たちが損をしないように余裕を持った確率の設定で保険商品を設計していることについては、十分信用してやっていいでしょう。
実際、保険の運営コストや、保険会社の利益を考えると、癌のように「二人に一人が癌になって、三人に一人ががんで亡くなる」と言われるような日本で、がん保険が、普通のサラリーマンが払えるような低コストで、一人一人の加入者にとって満足なだけの保険金を払えるとは思えません。
保険は、損であることを知りつつも、必要に迫られた場合に、泣く泣く利用するのが正しい使い方です。
保険は、
(1)滅多に起こらないけれども、
(2)起きた時の支払いが破滅的に大きくなるかも知れない事象、
に対してのみ利用を検討していいもので、癌のようなよくある病気、老後の生活費、のような「ありふれたリスク」には不向きな仕組みなのです。
それでも、現実にがん保険が売れているのは、保険会社の営業担当者が一所懸命に売るからと(営業の力を侮ってはいけません!)、癌という心配な事態に対してがん保険に入ると、何となく対策を行った気持ちになって安心する「感情」が顧客の側にあるからでしょう。
しかし、がん保険に入ったからと言って、癌に罹る確率が小さくなる訳ではありません。
お金の問題は、感情で判断してはいけませんが、保険については取り分けそのことを強調しておきたいと思います。
がん保険の場合、確率を考えた、「事前」と「事後」の区別が大事で、意思決定はあくまでも「事前」の段階で行わねばなりません。他の問題も基本は同じです。この考え方ができない人は、おそらく、人生で何度もお金の意思決定で失敗する人でしょう。
宝くじの当選者の「クジは買わなければ当たりませんよ」という声を聞いて、自分も宝くじを買ってしまうのは、愚かな人でしょう。「がん保険に入っていて、助かりました」という癌体験者の話を聞いて、自分もがん保険に入るのは同質の愚かな行為です。
「山崎さん、人生をやり直すとして、若い頃でも、中年になってからでも、がん保険に入りますか?」と聞かれたら、「何度人生をやり直しても、がん保険には入りません」と即答します。
今の制度が大きく変わらない限り、あるいはよほど特殊な予知能力があって自分の癌が予測できるのでない限り、読者にとっても結論は同じのはずです。







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