「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第6回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

 毎回一つクイズを解いてもらいます。クイズの答え合わせをしながら、資産形成に必要な知識を一つずつ身に付けていってください。

債券投資をしっかり学びましょう

「資産形成について学ぶ」というと、株について勉強すると思う方が多く、債券についてしっかり学ぼうとする方はあまりいません。株は難しいけれど債券は簡単、と勘違いしている方が多いからでしょうか?

 今日は、債券についてしっかり学べるクイズを出します。「株は値上がりと値下がりが激しく、リスクが高いので難しい。債券は確定利回りで簡単だ」と思っている方の誤解を解くことが目的です。

 たしかに「個人向け国債」のように大きく値動きしない仕組みの債券もありますが、同じ国債でも固定利付きの長期債は価格が大きく動きます。

 日本の国債でも、30年債とか、40年債とか、額面金額が払い戻される償還日までの年数が非常に長いものは、金利や信用リスクの変動によって価格が大きく動きます。満期まで保有するなら、日本国が破綻しない限り(破綻しないものとして話を進めます)額面金額で償還されるので、確定利回りです。

 ただし、30年も40年も持ち続けられるか、分かりません。満期日前に途中で売却する可能性もあります。その時、買い値を下回る価格で売却して損失が出る可能性もあります。それを理解しながら、長期債にも分散投資していくと良いと思います。

 なお、今日のクイズで取り上げるのは、一般の国債(償還までの表面利率が発行時に決まっている固定利付き債)です。途中売却で損失が出にくいように設計されている「個人向け国債」とは異なります。値動きが大きい代わりに、利回りが個人向け国債よりも高くなる可能性があります。

今日のクイズ:10年国債、金利が上昇すると何%値下がりする?

<クイズ>10年新発国債(表面利率1%)を、額面100円で100万円購入しました。

 購入時点で1%だった長期金利(10年新発国債利回り)が購入直後2%に上昇すると、購入したばかりの表面利率1%の国債は時価で約何%値下がりするでしょうか?以下の選択肢【1】、【2】、【3】から一つ、選んでください。

 【1】約3%値下がりして、97円になる
 【2】約9%値下がりして、91円になる
 【3】約15%値下がりして、85円になる

(注)2023年11月28日時点で、10年新発国債利回りは約0.76%です。クイズでは分かりやすくするために、1%と2%に設定しています。利回りは全て、単利ベース。

日本国債の利回りは、40年債なら約2%も

 正解に進む前に一つ、見ていただきたいものがあります。11月28日の日本国債利回り一覧です。償還までの年数によって、利回りが異なります。

<日本国債の利回り(固定利付き債、単利):2023年11月28日15時>

出所:QUICK

 30年国債なら利回りが1.7%あります。40年債ならば約2%です。魅力的な利回りです。ただし、30年、40年先まで持ち続ければ、額面金額で償還されるので確定利回りですが、それまで持ち続けられるか分かりません。途中でお金が必要になって時価で売却するかもしれません。

 途中で売却する時に値下がりしていなければ良いですが、値下がりしている可能性もあります。一番心配しなくてはならないのは、金利上昇リスクです。市場金利が上昇すると、長期国債は値下がりします。もし1%金利が上昇すると、どのくらい、値下がりするのでしょうか。それを考えるのが、今日のクイズです。10年国債を例としてクイズにしました。