「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第5回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
毎回一つクイズを解いてもらいます。クイズの答え合わせをしながら、資産形成に必要な知識を一つずつ身に付けていってください。
小型成長株は半値に下落するリスクも、中上級者向け
「資産形成を始めたいけど、何をしたらいいか分かりません」という方がいます。投資初心者の方は、まずアセットアロケーション(資産配分)を決め、投資信託の内、株価指数に連動するように運用されているインデックスファンドを買っていくのが良いと思います。
例えば、100万円を使って資産運用を始めるとして、日本株に25%投資すると決めたら、日経平均インデックスファンド(日経平均株価(225種)に連動するように運用するファンド)やTOPIX(東証株価指数)インデックスファンドを25万円買えばいいことになります。
投資に慣れてきたら、個別株投資にチャレンジしてみても良いと思います。成功すると株価が2倍以上になる小型成長株とか魅力的ですね。自分なりの方法で調べて、おもしろいと思った銘柄を買うと良いと思います。
ただし、小型成長株投資は良いことばかりではありません。失敗銘柄に投資すると株価が半値になってしまうこともあります。失敗したと分かった時には、半値になるまで放っておかずに、早めに損切りすべきです。投資した小型成長株が買い値から20%も下がった時は、とにかく一度売るべきです。
損切りできるかどうかが、初心者と中上級者の大きな違いです。大成功も大失敗もある小型成長株は、「ダメな時は損切りする」ことができるようになってから投資した方が良いと思います。
今日のクイズ:小型成長株の値動きで最もあり得るパターンはどれ?
<クイズ>小型成長株A社の株価が15年で10倍(400円→4,000円)になる場合、最もあり得る株価変動パターンはどれでしょう? チャート【1】、【2】、【3】から一つ、選んでください。
最初の5年は、成長の「黎明(れいめい)期」、次の5年が「急成長期」、最後の5年が「成熟期」です。それを前提に考えてください。
【黎明期】利益はまだ出ないが、大きな夢がある時期
【急成長期】売上高・利益が大きく伸びる時期
【成熟期】成長は続いているが増益率が5%以下に低下
チャート【1】
チャート【2】
チャート【3】
株価には投資家の「欲望」と「恐怖」が表れる
株価は常に行き過ぎます。上がる時は上がり過ぎ、下がる時は下がり過ぎるのが普通です。株価には、投資家の「欲望」と「恐怖」が表れるからです。株が上がってくると、「もっともっと上がる」欲望に支配された投資家の買いで、株価は往々にして上がり過ぎます。
株が下がってくると、「もっともっと下がる」恐怖にとらわれた投資家の売りで、株価は往々にして下がり過ぎます。
小型成長株は、特に値動きが激しくなります。例えばAI(人工知能)やバイオ関連で画期的新技術が開発される期待があると株価が急騰し、そのまま無限に株価が上がり続けるのではないかと錯覚にとらわれることがあります。
一方、期待された新技術の開発に失敗し、株価が急落し始めると、そのまま無限に下がり続ける恐怖にとらわれます。
後で冷静になれば、そんなに慌てる必要がなかったと分かりますが、株価が急騰急落しているさなかに冷静になれる投資家はあまりいません。