正解:最もあり得るのはチャート【3】 

チャート【3】が正解。最もあり得るパターンです。
チャート【2】は必ずしも不正解とはいえません。絶対ないとはいえません。
チャート【1】は不正解。絶対にあり得ません。

 チャート【1】は絶対にあり得ません。小型成長株が、こんな風に一定のペースで上がり続けるならば誰もが気楽に投資できますが、投資家の欲望と恐怖で動く株価がこうなることはあり得ません。

 チャート【2】は、絶対ないとはいえません。誰もが知っている当たり前のビジネスで成長していく企業で、高成長期でもそんなに高い増益率とならなければ、こういうパターンになるかもしれません。ただ、黎明期→急成長期→成熟期と変遷していく小型成長株がチャート【2】のようになる可能性は低いと思います。

 私がファンドマネージャー時代に見てきた小型成長株に最も多いのが、チャート【3】のパターンです。

【再掲】チャート【3】

出所:筆者作成

 黎明期は大きな夢があるので、たびたび株価が急騰しますが、まだ利益が出ていないので、赤字株をどんどん買い上げていくことにやがて不安が出てきます。テーマが去って投資家が冷静になると株価が急落します。

 急成長期は、夢のビジネスがついに黒字化して利益が急拡大するので株価が大きく上昇します。それでも短期的に株価が過熱すると反動で株価が下がることがあります。

 成熟期は、最高益を更新していても、増益率が大幅に低下します。これまで前年比で8割増益とか5割増益とかすごいピッチで成長していた企業の成長率が数%に落ちると、株価はいったん急落します。株価が大きく下がってPER(株価収益率)で割安になると、そこからは成長率が低くても、安定成長株としてまた株価が上昇していきます。

 このような成長株を、高値でつかむ(グラフ中で赤い星印を付けたところで買う)と、株価があっという間に半値になることもあります。マーケットのウワサだけで売買していると、往々にして赤星印を付けたところで買うハメになります。

 長く持てば株価10倍になる成長株を、何度も売り買いして損ばかり、という人もいます。ご注意を。

失敗した場合の損切りルールが必要

 値動きの激しい小型成長株投資では、失敗した銘柄を売る「損切りルール」が必要だと思います。成功した銘柄は持ち続け、失敗した銘柄をきっちり売っていくことが、成長株で成功する鍵です。

 損切りルールとは、「買い値より10%下がったら売る」とか、「買い値より20%下がったら売る」というように、損切りラインを決めておくことです。何%下がったら売るかは、投資家が自分で決める必要があります。決めたら、そのルールをきっちり守って損切りすることが必要です。

 私は、「20%下がったら、どんな理由があっても絶対売る」と決めておくことが良いと思います。小型成長株を買ってから20%も下がるということは、何か大きな間違いをしているということです。どんな理由があっても売る、と決めておいた方が良いと思います。

 もちろん「10%下がったら売る」というルールでも構いません。皆さまが管理しやすいパーセントで結構です。以下は、損切りがなぜ必要なのか分かっていただくために、作成したイメージ図です。

急落する失敗銘柄を早めに損切り(イメージ図)

出所:筆者作成

 成長株投資で大成功して一財を成した人は、大もうけした銘柄の話をよくしますが、その陰には失敗銘柄を早めに損切りした話がたくさんあるはずです。それができたからこそ、本物の成長株で大もうけすることができたに違いありません。

 失敗銘柄を、早めに損切りできることが、高成長銘柄で稼ぐための条件となります。ところが、成長期待企業の、成長ストーリーが崩壊していることに気付くには時間がかかります。失敗銘柄が失敗銘柄だと、はっきり分かった時には、株価は暴落して大けがした後です。

 そうなる前に、「なんか変」と感じた段階で、すばやく損切りすることが必要です。どんなに遅くとも、20%下がった時には、損切りすべきだと思います。

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