1月から新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が始まります。現行のNISA制度(つみたてNISA、NISA、ジュニアNISA)が終了する前に、駆け込みで口座開設した方もいらっしゃるでしょう。しかし、口座開設は間に合ったものの、その後何もせず放置してしまっている方が多いようです。

 また、既にNISAで運用をしていた方の中にも、これからどうしたらいいかわからないという方が多いようです。制度終了までのあと2カ月、何をしたらいいのか? そして、来年新NISAが始まったあと現行NISAで運用していた資産はどうしたらいいのか? 皆さんからよくある疑問質問にお答えします。

駆け込みで開設したNISA口座、この後どうすれば?

 現行のNISA、つみたてNISA、ジュニアNISAで新たに商品を購入できるのは今年限りで終了となります。駆け込みで口座開設した人は、この点に要注意です。現行のNISA、つみたてNISAで既に購入した商品や今年中に購入した商品については、それぞれの非課税期間終了時期まで非課税で運用を続けることができます

 未成年の方については、来年以降ジュニアNISAに代わる制度がなくなります。ただし、今年中にジュニアNISA口座で購入した商品に関しては、2024年以降も子どもが18歳になるまで非課税で保有し続けられます。

現行NISAの非課税期間が終了したらそのあとどうなるの?

 非課税期間終了後は新NISA口座へはロールオーバーされず、課税口座に自動移管されます。その際、課税口座に移管された時点の時価が取得価格になるという点に注意が必要です。

 例えばつみたてNISAで2023年に新規購入したものであれば、2042年までNISA口座内で非課税運用が続き、2043年に課税口座へ自動移管されます。その際、移管された時点での時価が新しい取得価格となり、その後はこの新しい取得価格からの利益に対して課税されることになります。

 もし、40万円投資していたものが、非課税期間終了時に30万円に値下がりした場合、30万円を取得価格として課税口座に移管されます。その後35万円になったときに資金が必要になって売却した場合には本当は5万円の損失なのですが、取得価格が30万円になってしまっているので5万円の利益が出たということになり、約1万円の税金を払わなければいけません。

 現行NISAは新NISAにロールオーバーすることができないので、こうした事態をさけるためには非課税期間終了前にいったん売却し、新NISA口座で購入しなおすとよいでしょう。

現行NISAで運用しています。新NISAが始まるにあたり何か手続きは必要ですか?

 現行NISAで運用している方は何か手続きが必要なのか、気になっている方もいらっしゃるようです。既にNISA口座を開設している場合は、現行NISA口座をお持ちの金融機関で自動的に新NISAの口座が開設されます。また、積立設定も引き継がれるので、投資金額や投資対象を変えなくてよい場合には特に手続きは必要ありません。

 ただし、新NISAでは、NISAで対象であった一部の商品が対象外となっています。新NISAで対象外となる商品の積立設定については設定解除されてしまいます。また、新NISAでは非課税枠が増えるため、投資額を増やしたり、投資対象を変えたりしたい場合には新NISAの口座開設以降でないと設定変更ができませんので、来年口座が開設された後に設定をしてください。

あと2カ月で終了する現行NISA、やっぱり運用は始めておいた方がいいですよね?

 現行NISA枠は新NISAとは別枠になり、非課税で運用をすることができます。非課税運用ができる額が増えるという点では、現行NISAで運用を始めておくことをおすすめします。

 ただし、非課税で運用できるから、お得だからといって、生活費やすぐに必要になるお金をNISAで運用しておくということはやめましょう。短期的には損失が出る可能性もあります。長期的に運用し続けられる資金で始めましょう。

 今年使い切れなかった非課税枠は来年に持ち越すことはできません。つみたて設定をした場合には手続き日によって運用開始が翌月や翌々月となります。一括投資の場合であっても年末ぎりぎりに購入すると翌年の扱いになる場合があります。現行NISAの非課税枠を使うつもりが使えなかったということにならないよう早めに手続きをしましょう。

 現行NISA口座で保有中のものは非課税期間終了まで非課税で運用を続けることができますが、非課税期間終了時に特定口座に移管されてしまいます。その後の利益は課税されてしまうので、新NISAの非課税枠が余っている場合にはいったん売却し、新NISA口座で買いなおすとよいでしょう。

 新NISAの生涯投資枠1,800万円も使い切ることができないという人や非課税期間終了時の手続きが面倒、両方の管理が面倒という人は無理に今年から投資を始めなくても構いません。ただし、今のうちにNISA口座を作っておけば自動的に新NISA口座が開設されるので、まだNISA口座を持っていない人は今のうちに口座開設だけでもしておくとよいでしょう。

 資産形成のコツは早く始めて長く続けることです。せっかく現行NISAの口座開設をされた方は少額でもよいので今から運用を始めておくことをおすすめします。