9月下旬から10月上旬にかけて日本株が大きく下落

 9月下旬から10月上旬にかけて日本株は大きく下がりました。下がったといっても、2008年9月のリーマン・ショックや2020年のコロナ・ショックのような大規模なものではありませんが、株価が下がったときの行動は、投資成績に大きく影響するのは確かです。

 そこで今回は、株価が大きく下がった9月下旬から10月上旬に、筆者が実際に何をして、何をしなかったかをお伝えしていきたいと思います。皆さんの株式投資のヒントにしていただけると幸いです。

筆者がしたこと(1)保有株の売却

 まず株価が下がったとき筆者がしたことは、「保有株の売却」です。

 このとき注意すべき点は、株価が下げ始めてからだいぶたった後に慌てて投げ売りをしないということです。

 例えば今回の下落であれば、10月4日が底値となっていますが、この日はこれまで強かった銘柄群含め、ほとんどの銘柄が大きく下落し、投資家の投げ売りが発生していたものと思われます。

 しかし10月4日に保有株を全て売却するのは正直申し上げて遅すぎます。多くの銘柄が、これより前の時点ですでに25日移動平均線を割り込み、さらに大きく下がっていたからです。

 もし10月4日になって保有株を全て売却すると

・かなり損失が膨らんだ状態で売却することになる
・翌日以降株価が反発しているが、その反発にもおそらく乗れなくなる

 ということになります。

 株価はどこまで下がるか分からないですし、いつ底打ちして反発するかも分かりません。ですから筆者は25日移動平均線を割り込んだ保有株から順に売却するようにしています。

 こうすれば、25日移動平均線を割り込んだ後下落が続いても損失が膨らむことはありませんし、25日移動平均線を割り込んだあと株価が反発して再度移動平均線を超えたら買いなおせば、その後の上昇についていけるからです。

筆者がしたこと(2)強い銘柄の押し目買い

 上で申し上げた通り、筆者は株価下落に伴い、保有株を売却しましたが、これは25日移動平均線を割り込んだ「弱い銘柄」から順に売却していることになります。

 その一方で、25日移動平均線を割り込まずに強い動きを続けている銘柄もあります。実は日本株全体が大きく下落しているときは、こうした「強い銘柄」も連れ安して下がることが多いので、そうした銘柄を買いそびれていた場合は押し目買いをする機会となります。

 具体的には、25日移動平均線から大きく上方に乖離(かいり)していた銘柄の株価が、マーケット全体の下落により下がり、25日移動平均線に接近してきたところを買います。

 無論、〇〇ショックのような急落・暴落が生じれば強い銘柄も含め全て大きく下落してしまいますから、強い銘柄を押し目買いしても損切りが必要となりますし、そうでなくとも25日移動平均線を割り込んだら損切りします。

 株価が下落しているさなかですから、買うといってもそれほど大きなロットで買うことはしません。本格的に買うのは、やはりマーケット全体が上昇基調に転じてからです。

筆者がしなかったこと(1)急落銘柄のリバウンド狙い

 筆者も昔は急落銘柄のリバウンド狙いをよくやっていましたが、買うタイミングが少しでもずれると大きな損失につながることが多く、リスクの割にリターンが大きくないと感じたので今はやっていません。

 上で申し上げた、強い銘柄の押し目買いと急落銘柄のリバウンド狙いは、似ているようでだいぶ異なります。

 強い銘柄の押し目買いは、強い銘柄がマーケット全体の下落につられて下がったところを買うわけですが、高値からの下落率でみればそれほど大きく下がっているわけではありません。

 一方、急落銘柄のリバウンド狙いは、株価が何十%も下がって急落したあとの反発を狙うものなので、強い銘柄ではなく弱い銘柄が対象となります。

 筆者も以前はマーケット全体が大きく下がったとき、急落銘柄のリバウンド狙いばかりしていたことがありました。リバウンドはしてもすぐ失速し、さらに株価が下がるという結果になることが多くありました。

 結局は弱い銘柄のリバウンド狙いではなく、強い銘柄の押し目買いの方が収益に結び付くことが分かったので、今はリバウンド狙いはやらなくなりました。

 中にはリバウンド狙いで上手に利益を得ている方もいますが、思った以上に難しいですしリスクも高いですから、行う場合は十分に気を付けてください。

筆者がしなかったこと(2)様子見

 筆者は株価が大きく下落した場合、上のように行動しますが、株価が大きく下落しても何も動かなかった方も少なくないと思います。

 例えばバイ・アンド・ホールドを貫いている方であれば、株価が下がっても気にせず保有することになります。

 また、売買のルールを特に決めていない方は、株価が下がったときどうしたら良いか分からず、ひとまず様子見しているうちに株価がどんどん下がってしまった…という気持ちになってしまうと思われます。

 様子見をした場合、株価の下落がそれほど大きくなく、下げ止まって反発に転じれば、結果的に難を逃れたことになります。

 しかし、株価の下落が止まらなかったり、反発してもすぐに終わり再び下げに転じるような場合は、様子見すればするほど株価が下落して、損失が膨らみ塩漬け株になってしまいます。

 個人投資家の最大の悩みは塩漬け株をつくってしまうことですが、株価が下落したとき様子見をしていると塩漬け株をつくってしまう可能性が格段に上昇します。

 塩漬け株をつくりたくなければ、保有株が下がったときの売却ルールをしっかり決めて、それを守るようにしてください。

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