単利と複利ってなに?

 ところで、投資をするときに覚えておいて損はない知識は、「複利」という計算式です。かの天才物理学者アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだことでも知られています。文字を見れば分かるかもしれませんが、「複利」の対になるのが、「単利」です。両方を簡単に説明してみます。

 まず、単利から。1年間で金利が2%増える単利の金融商品を例に説明します。

 元本100万円が、1年後には元本、金利含めて102万円になります。2年目以降も、1年間で元本100万円が2%増えます。あくまで元手は元本だけで増やすので、1年後は元本、金利含めて102万円、2年後は104万円、3年後は106万円、4年後は108万円と、毎年2万円ずつ増える仕組みです。これが単利です。

 一方の複利。同じように1年間で金利が2%増える複利の金融商品を例にします。

 元本100万円が、1年後には元本、金利含めて102万円になります。これが2年目以降は、元本と金利を足した金額が元手になります。単利では元手は変わらず100万円ですが、複利は毎年、元手が増えていくのです。2年後は104万400円、3年後は106万1,208円、4年後は108万2,432円と、単利と比べると、増える金額に差が出てきます。

 下のグラフを見てください。運用スタートから数年はそれほど大きな差はありませんが、30年後には同じ年利で運用をしても、20万円もの差が生じています。

出所:株式会社マネネが作成 

投資では複利が基本

 複利の魅力が分かったところで、「投資の基本は長期にわたってする」と心得てください。長期で投資をすればするほど、複利の効果が得られやすくなるからです。つまり、一度投資を始めたら、長く続けることが重要なのです。

 相場が下落したりするなどして、投資額が減った恐怖で投資をやめてしまったり、投資をして利益が出た分をその都度引き出したりすることは、複利効果のメリットを消してしまうため、極力避けたほうがいいでしょう。