寝ていたお金を起こして、4年間で3,400万円(1.7%)の利益

 K氏の条件と、現実的なリスク回避のもと、最終的にできあがった「Kファンド」は次のようなものになります。

商品形態:私募投資信託
投資対象:欧米の主要金融機関が発行する米ドル建て普通社債と期限付き劣後債
信託期限:4年
買付け手数料:なし
組入れ予定銘柄数:10銘柄
平均残存期間:約3.6年
ポートフォリオ平均利回り:約1.7%(コスト控除後、2013年当時時点)
信託財産留保額:あり

 この「Kファンド」では、組み入れ債券が全て期間内に償還され、金利収入がすべてファンド内にキャッシュで蓄積されます。そのため、満期を迎える時点でどれくらいの投資利回りになるかが、購入時にある程度見通せ、元本確保型に限りなく近づくことができるのです。

 しかし投資である以上、「確実」「保証」はありません。万一発行体が破綻したり、為替ヘッジコストが急騰したりした場合には元本を割り込む可能性はあります。たった1%超の期待リターンですが、K氏としっかり話し合い、「1%以上の利回りを得るために、3年以上資金を固定化するリスク(再投資リスク)」「債券を発行する金融機関の信用リスク」「途中換金時には値下がりして投資元金を割り込む価格変動リスク」「為替ヘッジコストが上昇した場合に期待したリターンが得られなくなるリスク」を取ることを許容してもらいました。

 この結果、K氏は4年間で3,400万円の利益をゲット。預貯金のまま寝かせていればほぼゼロ円の金利で終わったところ、慎重に運用した結果、得られた利益です。