3.日本株は適正レンジの上限に迫る

昨秋には売られ過ぎだった日本株が適正レンジの上限に近づいている

 バフェット効果などで急騰している日本株ですが、果たしてどこまで上がるのでしょうか? 図表3は、TOPIXとTOPIXの予想EPS[1株当たり利益](向こう12カ月予想ベース)を13、14、15倍したデータの推移です(これら3本のラインの間を「適正レンジ」と呼ぶことにします)。

 表示の期間は、第2次安倍政権誕生以降の「アベノミクス」と呼ばれる期間から直近までを示していますが、この期間の株価はおおむねこの「適正レンジ」内に収まりながら、EPSの成長とともに上昇してきました。

 時々「適正レンジ」をはみ出して、買われ過ぎては反落し、売られ過ぎては反発することを繰り返してきましたが、直近では昨秋の売られ過ぎ水準から一気に回復しており、「適正レンジ」上限(約2,300ポイント)に接近しています。このままの勢いで上限を突破するのでしょうか?

 過去を振り返ると、「適正レンジ」が上昇基調にある間は株価は堅調に推移しました。一方、買われ過ぎて「適正レンジ」上限を突破してしまうと、なぜか、その後に「適正レンジ」が下方屈折し、株価はそれを予見したかのように、オーバーシュート後は調整局面に入っていました。

 今後は、まずは株価がオーバーシュートするか否か、「適正レンジ」つまりは企業業績のトレンドがどうなるかに注目する必要がありそうです。

[図表3] TOPIXと企業業績の推移

期間:2012年12月3日~2023年6月13日、日次
(出所)野村證券データ、および、Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(証券コード:1306)
NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(証券コード:1321)

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