オイル・ショック、中国・インド台頭が穀物価格を押し上げた
まず1回目の、1974年の流れを見てみましょう。
オイル・ショックの痛手を受けて、技術革新に励んだ結果、生産環境の効率がグンとアップし、景気が向上。結果、消費が潤い、美味しい肉を食べる人が増え、牛や豚などのエサとしての穀物のニーズが高まりました。オイル・ショックというピンチを、技術革新というチャンスに変えた人類の努力が、穀物の価格上昇につながったというわけです。
1974年度の穀物の価格基準上昇を、「風が吹けば、桶屋が儲かる」に当てはめると「オイル・ショックが起こったら、穀物の基準価格が上がった」ということになります。
そして2回目、2008年前後の流れは以下の通りです。
2008年前後、インドや中国など、人口の多い新興国が台頭したため、食肉需要が急激に高まりました。よって、1974年度と同様、家畜のエサとしての穀物需要が増加し、価格も上昇します。1974年度の価格水準上昇と異なるのは、2007年に、世界的な環境配慮ブームが到来し、ガソリン燃料の使用を控えるムーブメントが起こったこと。
2007年には、米国で、ガソリン燃料だけでなく、穀物を利用したバイオ燃料を混合して使用することが義務化され、穀物のニーズに「バイオ燃料用」という新たな需要が生まれたのです。結果、穀物価格は上昇しました。
1974年度の穀物の価格基準上昇を、「風が吹けば、桶屋が儲かる」に当てはめると「中国・インドなどの新興国が台頭したら、穀物の基準価格が上がった」ということになります。