農産品は「生産量減→価格上昇」が典型パターン

 コモディティ(商品)と一口に言っても、金やプラチナ、銀、パラジウム、銅、原油、ガソリン、灯油、軽油、トウモロコシ、大豆、砂糖、そして今回のコーヒーなど、金属、石油関連、農産品まで、実にさまざまな品目があります。

 これらの値動きについて考えるとき、生産量、消費量、需給バランス(生産量-消費量)、投機筋の動向、その他、周辺要因として世界の景気動向を示す経済統計や株価、そして各種通貨の動向などを参考にします。

 各品目いずれも、広範囲な変動要因の影響を受けながら価格が推移しているとみられますが、筆者はとりわけ「生産量」の動向が、価格に大きな影響を与えていると考えています。生産量の減少は価格上昇、増加は価格下落の一因になります。

 例えば、鉱山でストライキが起これば、金やプラチナ、銀など当該鉱山で生産されている貴金属の生産量が減少することが連想され、OPEC(石油輸出国機構)が減産をしたり、中東情勢が緊迫化したりすれば、原油の生産量が減少することが連想されます。このような生産量の減少観測もしくは実際の減少がこれらの品目の価格上昇の一因になります。

 同じ価格上昇でも「消費量の増加」も一因になることがありますが、生産量の減少の方が、「あるはずのものがなくなる」「なくなると困る」といった、想定される変化に対し強い警戒感・緊張感が生じやすく、価格動向へのインパクトは強くなると筆者は考えています。

 コーヒーなどの農産品における「生産量の減少」が起こる典型的な例としては、「天候不順」が挙げられます。今回取り上げた、1975~1976年の2年で、コーヒー価格が歴史的安値から歴史的高値に急騰した理由も、この天候不順が主因と言われています。

 天候不順が発生し、大規模な生産減少が起きたのは、世界No.1のコーヒー生産量を誇る南米のブラジルです。天候不順とは、霜(しも)の害、霜害(そうがい)です。