人民元安による輸出競争力の向上が追い風、世界需要の回復にも期待
現地コード | 銘柄名 |
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01882 |
海天国際 (ハイティエン・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
17.72HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国では急速な人民元安の進行が輸出にプラスに働いているが、射出成形機メーカー大手の海天国際は工業セクターの中で最も輸出比率が高く、2021年、2022年の輸出売上比率は30.8%、35.7%だった。米利上げにより、海外需要は一時的に低迷しているものの、BOCIは元安による価格競争力の強化が、同社の世界シェアの拡大につながると予想。2023年上期の為替差益も、過去最高を記録する可能性が高いとしている。こうした点から、最近の株価の調整局面は、投資チャンスにもつながるとの見方。目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
海天国際の輸出売上比率は中国工業セクターで最高水準にあり、輸出先はメキシコ、ドイツ、トルコ、東南アジアなど多様。このため、米国の金利政策がこの先、利上げから利下げに転じれば、世界需要が回復する可能性が高く、同社にはプラスとなる。BOCIは国内、海外ともに、今がファンダメンタルズの底に当たるとみている。
人民元安は中国企業の輸出競争力の押し上げにつながる要因。輸出価格の低下と、人民元換算時の収益上乗せという恩恵が得られ、輸出売上高と為替差益の両面からプラスとなる。
2022年末時点で、同社の手元現金は67億元。配当性向は30%超と、工業セクターでトップクラス。BOCIは現金保有という点から、同社は最も安全性の高い銘柄の一つだとしている。
2023年6月には第5世代の新型機を投入したが、これは世界経済が停滞する中で、差別化戦略のカギとなる。同社はこれまでも、景気低迷期に次世代機を投入し、より高性能の機種を武器に、販促を強化してきた。今回は価格据え置きのまま省エネ性能を高めた第5世代で、市場シェアの拡大を目指す。
BOCIは最近の同社株の調整について、主に中国国内での販売回復の遅れが影響していると指摘しながらも、米利上げの終了と利下げへの転換や中国経済の回復に伴い、いずれは国内外で売れ行きが回復するとみる。また、世界経済の回復や元安による恩恵という点で、同社は最良の選択肢になるとの見方。目標株価までの大幅な上値余地を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、製品需要の回復ペースが予想以上に遅れる可能性を挙げている。