2023年1-3月期は54%増収、投資計画履行も利益率は拡大見通し

現地コード 銘柄名
06618

京東健康

(JDヘルス)

株価 情報種類

51.55HKD
(5/12現在)

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 医薬品のネット通販最大手、京東健康の2023年1-3月期決算は、売上高が前年同期比54%増の140億元に達した。IFRS(国際会計基準)および非IFRSベースの営業利益率も過去最高の5.7%、8.3%を記録するという好決算だった。BOCIは長期の持続的成長を確保するため、同社がユーザーのマインドシェア(想起率や好感度など)のさらなる強化や総合的なエコシステムの構築に利益を再投資し、2023年の投資計画を履行するとの見方。主な投資分野として、ユーザーの獲得、ブランディング、オフライン店舗、オムニチャネル、テクノロジー、マーケットプレース・プラットフォーム、M&A(買収や合併)などを挙げた。また、投資を履行しつつも、同社が利益率を拡大させると予想。2023年通期の非IFRSベースの純利益率が6.0%へ、前年比0.4ポイント改善する見通しを示した。目標株価を据え置きながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 コロナ後の長期の持続的成長を確保するため、同社は2023年に、ユーザーのマインドシェアの深化と統合型エコシステムの構築に投資する方針。ただ、BOCIは同時に純利益率の改善を見込む。AAC(年間アクティブ顧客数)、ARPU(加入者1人当たり月額収入)の上昇を受けたコア1P(ファーストパーティー)小売業務の力強い伸びや、サプライチェーンおよびフルフィルメント(注文受付からアフターフォローに至るネット通販の一連のプロセス)能力の強化を背景とする単位当たり収益性の改善が、純利益率の拡大を後押しするとの見方だ。さらに、同社は継続的に組織構造の効率化や、1P・3P(ファーストパーティーとサードパーティー)のバランスを調整、最適化していると指摘。こうした要因を考慮した上で、2024年、2025年の予想売上高を1%、2%上方修正(2023年は据え置き)。粗利益率見通しを据え置き、2023-25年の非IFRSの予想純利益率をそれぞれ1.28ポイント、1.79ポイント、1.84ポイント引き上げた。

 2023年1-3月期決算を見ると、AACは3月末時点で1億5,970万件。売上高は前年同期比54%増の140億元。ゼロコロナ政策の終了とその直後の感染爆発が結果的に寄与した。中核の1P業務、補助的な3P業務、サービス業務の収入が全て前年同期比50%を超える伸びだった。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく同社の目標株価を据え置いた。この目標株価は2023-25年の予想PSR(株価売上高倍率)で、3.5倍、2.8倍、2.4倍に当たる水準。目標設定上のWACC(加重平均資本コスト)とターミナルバリュー(残存価値)伸び率に関する想定値は10.0%、5%に据え置いた。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、政策的な規制強化の可能性や、投資面のトラブル、親会社JDドットコム(09618)グループからの支援の縮小、市場競争の激化などの可能性を挙げている。