昨日(2017年01月12日)の動向

トランプ氏の会見内容に新規ドル買い材料はないと判断したマーケットは、ドルロングのポジションの整理に動きました。米ドル/円は、東京時間早朝の115.51円が高値に急速に下げ足を強めると、欧州時間には114円も割り、昨年12月8日以来の113.74円まで下落。
これまでのトランプ相場が調整局面入りした可能性もあります。ただしドル高が終わったという見方は少なく、押し目を拾う動きで米ドル/円は再び114円台を回復。終値は114.765円(前日比-0.642円)でした。

ドル売りは、トランプ氏が「何を話したか」ではなく、「何も話さなかった」ことに対するマーケットの反応だったといえます。トランプ氏は、財政政策にしても規制緩和にしても、具体的な施策は何も示しませんでした。米ドル/円は年明けに118台後半まで上昇しましたが、この水準には、ほぼ全ての期待材料が織り込まれていました。期待だけでこれ以上ドルを買い進めることはできない、ということでしょう。

ユーロ/ドルはしっかり。前日の高値を越えて、約1ヵ月ぶりの高値となる1.0684ドルまで上昇しました。終値も1.06ドル台を維持。ユーロ/円は、121円台前半から122円台前半の比較的狭いレンジを続けながらユーロ安方向へ推移。

この日公表されたECB議事録は、ややタカ派的な内容で、ECB理事の数名が量的緩和の延長に反対していたことが明らかになりました。しかし、ECBは2011年の利上げが失敗だったという認識を強く持っているため、インフレを定着させるために緩和政策は当面継続すると考えられます。

英国のメイ首相は、来週火曜日にブレグジットに関する方針を発表すると伝わると1.23ドルまで回復していたポンド/ドルは、1.2152ドルへ下落。ポンド/円は、再び140円を割り、昨年11月29日以来となる138.92円をつけました。メイ首相は、移民流入の制限を優先するには、EU単一市場へのアクセス権を犠牲にするのもやむをえないとの考えを持っています。来週はポンドにも注目が集まりそうです。

2017年01月12日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 115.299 115.517 113.744 114.765
ユーロ/円 122.010 122.235 121.188 121.776
豪ドル/円 85.804 85.986 85.354 85.881

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2017年01月13日)の展望

【米ドル/円】

 

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 115.52 116.87 113.74 112.84

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

 

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 122.94 123.80 121.18 120.97

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

 

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 87.85 88.55 85.04 84.55

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2017年01月13日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2017年01月13日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★★ 22:30 (米) 12月小売売上高(前月比) 0.7% 0.1%
★★ 24:00 (米) 1月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 98.5 98.2
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します