S&P500に資金が集中し続けると、投資信託の運用はどうなる?
前回の本連載「S&P500に弱点はある?やってはいけない投資行動とは」では、世界中の投資家を魅了する米国株式と、その代表的な指数である「S&P500種指数」について取り上げました。
1957年に算出が開始されたS&P500は近年、アップルやマイクロソフトをはじめとする構成上位銘柄(主にテクノロジー関連企業)の目覚ましい成長を背景に、存在感を増してきました。この結果、同指数は、今や世界の株式市場の時価総額の約半分を占めるまでになっています。では、早速ですがクイズです。
答え:(その市場において)超過リターンの獲得が難しくなる
特定の市場に資金が集中したときの影響はさまざまな形で表れますが、現に米国で起きていることとして、超過リターンの獲得が難しくなっている、という点が例として挙げられます。
「超過リターン」とは、投資信託やポートフォリオのリターンが、運用の目標として掲げたベンチマークのリターンをどれだけ上回ったか(または、下回ったか)を表す数値です。
例えば、とある期間のベンチマークのリターンが5.0%だったとします。同じ期間に、この投資信託が7.0%のリターンをあげることができていたら、超過リターンは、7.0-5.0=2.0%ということになります。
指数に連動することを目指すインデックスファンドと比べ、アクティブファンドは一般的に、超過リターンの獲得を目指してポートフォリオを構築します。言い換えると、アクティブファンドの付加価値は、超過リターンの獲得にあります。
米国株に優良なアクティブファンドは存在しないのか?
先述の通り、近年は特に、一部の時価総額上位銘柄がS&P500全体の動向を「支配」している状態にあります。特定の銘柄が指数に与える影響力があまりに大きいため、超過リターンの源泉(割安に放置されている銘柄や、まだ世に知られていない成長性を秘めた銘柄など)を探すことが困難になっています。
この結果、アクティブファンドの運用において、ベンチマークとして広く採用されている同指数を継続的に上回ることが難しくなっているのです。
また、少し別の視点で見た場合、米国は、英語という世界的な共通言語で企業の情報開示がなされることに加え、ネットの発達とともに情報伝達の速度も急激に上昇したため、投資家間の情報格差が日本などと比べて小さいという点も挙げられます。資金の流れが速く、皆が「良い」と思う企業には資金が集中する傾向にあり、米国株式市場に働く自浄作用にもつながっています。
では、米国株に優良なアクティブファンドは存在しないのかというと、決してそういうわけではありません。日本の投資信託市場は、米国株式を投資対象としたファンドの歴史がそもそも浅く、全体の本数も少ないので、優良なファンドを見つけやすいという見方もできます。
注目は、米国株の影に隠れているあの資産
あるいは、既にS&P500連動型のインデックスファンドを積み立てているなら、先行きの見通し難い相場環境が続く今こそ、日本株や一部の新興国株式など、米国株とは値動きの方向性が異なる資産に目を向けても良いでしょう。
例えば日本株は、大企業こそ英語による情報開示が進んでいるものの、まだ多くの企業は日本語が中心であることから、出回る情報の量や伝達速度の面で、優位性を発揮する余地が残されています。また、良くも悪くも米国ほど自浄作用が働いていないということも、日本株市場で超過リターンを期待できる理由の一つになっています。
新興国については、2000年代初頭に新興経済大国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一角として期待されたロシアが市場から事実上の「退場」を余儀なくされた一方、中国やインドは、アフターコロナの本格的な経済再開により、世界の投資家の期待が以前よりも高まっています。
コロナ以降加速した、米中経済のデカップリング(切り離し)も、株式市場の動向に影響しています。
では、どのように分散投資を実践すれば良いのでしょうか。次回は、具体例としてファンドをご紹介するとともに、組み合わせ方の例も解説します。
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