年利回り10%が期待できる金融商品は「買い」か?

 ここで、クイズです。

<クイズ>以下の投資信託Aと投資信託B、どちらが良い投信でしょう?

出所:筆者作成

 未来のことはわからないのですが、クイズ上ではわかってしまうとします。4年後に、投信Aは40%上昇しています。年平均10%と高いリターンです。投信Bは、4年後に10%上昇しています。年平均2.5%のリターンで、10年国債の利回りが0.5%のときに、これもなかなか良いリターンといえます。

 未来のことがわかってしまうならば、投信Aの方が、明らかに良い投信です。ところが、現実には、未来のことはわかりません。もし、未来のことがわからないまま「年率10%の利回りが期待される」と薦められて、投信Aを読者の皆さまが買ったとしたら、その後どうなるか考えてみてください。

 1年後には30%も値上がりしています。予想以上の値上がりに喜び、ここで余裕資金を持っていれば、追加で買うかもしれません。ところが、2年目以降、値下がりが続きます。2年目はなんとか我慢したのですが、3年目になると、当初元本を20%も下回るところまで、下がってしまいました。これ以上の下げには耐えられないと、ここで全て売却してしまうかもしれません。

 相場は意地悪なもので、あなたが損失確定の売りを出した直後に急騰し、4年後には期待通りの年平均10%のリターンを実現しています。あなたは、この激変に耐えられますか? この「激変に耐える」ことが、「リスクを負う」ということです。

「年利回り10%が期待できる金融商品に投資すべきか」という問いの答えは、あなた自身の中にあります。リスクに耐えられるか否か、考えてみてください。

 サラリーマンの生涯年収は、1億~2億円と考えられています。最初に行う、月々1万円の投資では、思い切ったリスクをとってみても良いと思います。ただし、どういうリスクか、自分で理解できるものにすべきです。

 理解した上で、さまざまなリスクをとって、その結果を見て、学ぶことも大切です。将来、もっと貯蓄が増えたときに、きちんとリスクを管理しながら運用できるようになるために、若いうちは、いろいろトライしてみていいと思います。

高リスク・高リターンの金融商品に投資する方法

 リスクは高い(激変する)が、長期的なリターンが高いと期待するものに投資する際、激変に耐えられるようにする投資方法が、二つあります。

【1】積み立てで、毎月コツコツと投資。
【2】一定金額の保有金額を維持。大きく上昇したときは、少し売り、大きく下落したら少し買う。

 これから貯蓄を始める、新社会人にオススメは、【1】積み立てです。すでに、学生時代から貯めたお金がいくらかある方は、【2】をトライしてみてください。