5月の株主優待銘柄

 2023年5月の優待株は、5月29日(月)が権利付き最終日、5月30日(火)が権利落ち日、5月31日(水)が権利確定日となる最短スケジュールです。

 週明け5月29日(月)に優待株を買って、翌30日(火)まで保有し続けると、優待の権利を獲得できます。

 5月の優待株は全部で34銘柄※。4月の26銘柄※より増えるものの、銘柄数はそれほど多くありません。

※ともに楽天証券 株主優待検索より

 5月優待は、アパレル、中古品販売チェーンなど小売関連企業の買物優待、住宅メーカーなどのクオカード優待が目立ちます。

 飲食系チェーン優待が回転ずしチェーンの銚子丸(5月・11月に100株保有で500円分の食事券。権利付き最終日は5月11日・木)以外にない点も特徴です。

 一方、優待獲得に必要な最低金額が高いため人気8位以上には入っていませんが、ドラッグストアの買物券優待がたくさんあります。

・ツルハホールディングス(5月に100株・投資金額約86万4,000円で株主ギフト券2,500円分と買物料金5%オフの優待カード。ギフト券の代わりに自社PB商品詰め合わせなども選択可。権利付き最終日は5月11日・木)

・サツドラホールディングス(5月に100株・8万4,200円で商品券500円分、買物5%割引券24枚、クオカードPay500円分から2点選択。権利付き最終日は5月11日・木)

・クリエイトSDホールディングス(5月末に100株・32万3,500円で1,500円分の買物券。おこめ券3枚と交換可能)

・コスモス薬品(5月・11月末に100株・117万5,000円以上で一律、買物優待券5,000円分か、おこめ券10kg分。1年以上保有で各7,500円分、15kg分に増額)

・クスリのアオキホールディングス(5月に100株・64万円で買物5%割引カード、2,000円相当の各種地方名産品のいずれか一つ)
 
が5月のドラッグストア系優待です。

 5月優待株の人気1位は、女性向けカジュアル衣料を展開するアパレルメーカーのハニーズホールディングス。

 5月末に100株を1年以上継続保有していると、店舗で使える優待券3,000円分が贈呈されます。

 アパレル関連株は新型コロナ禍後の業績V字回復を好感して株価も急上昇している銘柄が多く、同社もその一つです。

 同社の株価は、コロナ明けの冠婚葬祭需要や好調なECショップ販売を好感して、2022年1月始値の1,025円から1,500円台まで約1.5倍も上昇しています。

 過去の高値圏付近まで上昇したため、高値つかみが心配ですが、コロナ明けの好業績で株価がもうひと伸びすることにも期待できそうです。

 第2位は戸建て住宅建設のタマホーム。

 5月・11月末に100株以上保有で一律に500円分のクオカードが贈呈されます。3年以上保有すると1,000円分に増額。

 同社は首都圏郊外の注文住宅の好調が続いており、今2023年5月期も来期2024年5月期も最高益更新が予想されています。

 株価も長期的な右肩上がりが続いていて、2019年1月始値970円から2023年3月9日には3,730円の高値をつけ、4年間で約3.8倍以上も上昇しています。

 第3位は中古本などの買取・販売チェーン、ブックオフグループホールディングス。

 5月末に100株保有で、買物券2,000円分のほか、買取金額20%アップ券2枚が贈られます。3年以上保有すると、買物券が2,500円分に増額されます。

 第4位は業績開示資料作成など上場会社向けディスクロージャー事業を手掛けるTAKARA&COMPANY。

 これまで5月優待株だった100円ショップ・キャンドゥがイオンに買収され、決算期の変更で8月優待に移動になったこともあり、順位が上がりました。

 同社の株を5月末に100株保有すると、1,500円相当のギフト商品が贈られます。2022年5月期の株主には、「花王キュキュットセット」「宮城県産ひとめぼれ2kg」など8点の中から一つ選べました。3年以上保有すると2,000円相当に増額されます。

 第5位は毛糸メーカーと不動産事業を手掛ける日本毛織(ニッケ)。

 5月末に100株保有でクオカード1,000円分がもらえるほか、株主優待カタログから秋冬ニットなどの商品を株主特別価格で購入できます。

 第6位は東海地方で業務用食品スーパー「アミカ」を展開する大光。「おおみつ」と読みます。

 5月・11月末に100株保有でクオカード500円分が贈呈されます。贈呈されたクオカードをアミカの店舗に持参すると商品券1,000円分に交換できます。

 同社もコロナ禍で落ち込んだ外食産業向け食品販売が好調で業績がV字回復中。ただし、株価はここ4年近くおおむね600円台から700円台で横ばい推移しています。

 第7位は文具通販のアスクル。

 5月・11月に100株以上保有で一律、生活雑貨などのネット通販サイト「LOHACO」で使える割引クーポン2,000円分が贈呈されます。

 同社の優待権利付き最終日は5月17日(水)です。

 第8位は生鮮食品に特化した流通企業のイーサポートリンク。

 5月末に100株以上保有で一律に、青森県産100%りんごジュース1ℓ3本が贈られます。

 5月の果物系優待としては、中国地方でディスカウントコンビニなどを展開する大黒天物産のぶどう優待(5月末に100株で岡山県名産「大粒ピオーネ」2,000円相当)も有名です。

新型コロナ明けで業績V字回復中の優待株を狙う

 アパレル、外食、結婚式場、旅行、ホテル、カラオケやアミューズメント施設関連企業はコロナ禍で大打撃を受け、株価も低迷していました。

 そんな一般消費者向けの優待企業にも2023年、ようやく春が訪れました。

 行動制限の撤廃、マスク着用の自由化、コロナ禍で自粛した反動のリベンジ消費、4月以降も延長される全国旅行支援、訪日観光客の増加などなど。

 ひとくくりでいうと「コロナ明け」の経済再開を受け、業績のV字回復が目立つ企業が増加しています。

 自分の身の回りで「あっ、このお店、コロナ禍の頃と比べて、お客が増えている」「自分も久しぶりにあの店に行きたい、あの商品が欲しい。ということは他の人もそう思っている?」といった肌感覚で、株主優待制度のある小売・サービス関連企業を注意して眺めてみましょう。

 こうした企業は毎月、既存店売上高など、店舗の売上、客数、客単価などを公表しています。

 例えば、5月優待1位のハニーズHDが自社ネット上で公開している月次データ・業績情報を見ると、2023年2月の既存店売上高は前年比133.6%、客数は118.1%、客単価は113.1%となり、2022年に比べて大きく伸びています。

 売上の拡大が継続していることが、株価の上昇につながっている、というわけです。

 身の回りの身近な企業の店舗を訪れて実感したり、既存店売上高などの推移から好業績を確認したりすることで、業績回復が鮮明で、値上がり益も狙える優待株を探しましょう!