エヌビディア

1)GTCカンファレンスでAI向け新製品群を発表

 エヌビディアは2023年3月21日、「NVIDIA GTC」カンファレンスにおいて、ジェネレーティブAIアプリケーション向けに最適化された4つの推論プラットフォームを発表しました。これにより開発者は、AIを活用したアプリケーションを迅速に構築することが可能となります。

 これらのプラットフォームは、3月21日に発売されたGPUの新製品「NVIDIA L4 Tensor コア GPU」「NVIDIA H100 NVL GPU」等のGPUと、NVIDIAの推論ソフトウェアを組み合わせています。各プラットフォームは、AIビデオ、画像生成、大規模言語モデルの展開、レコメンダーの推論など、需要の多い分野向けになっています。

 エヌビディアにとっては、ChatGPTに代表されるジェネレーティブAIが普及し、それがデータセンターや企業内システムの増強に結びつくことは大きなビジネスチャンスになります。

2)楽天証券では2025年1月期業績予想を小幅上方修正する

 ChatGPTの大ブームと、エヌビディアがジェネレーティブAIの分野に対して積極的に新製品を供給していることを評価し、来期2025年1月期の楽天証券業績予想を小幅ですが上方修正します。2025年1月期のデータセンター向け売上高を前回予想の270億ドル(前年比35.0%増)から290億ドル(同45.0%増)へ上方修正します。2023年1月期3Q(2022年8-10月期)に発売されたデータセンター用新型GPU「H100」の売上高の好調を予想しました。

 これに伴い、2025年1月期業績予想を、前回予想の売上高410億ドル(同28.1%増)、営業利益150億ドル(同57.9%増)から、売上高430億ドル(同34.4%増)、営業利益160億ドル(同68.4%増)へ小幅ですが上方修正します。

 なお、今期2024年1月期の楽天証券業績予想は今回は変更しません。ChatGPTブームがエヌビディアの「H100」の今期売上高にどのように影響するか、今少し観察したいと思います。

表4 エヌビディアの業績

株価 271.91ドル(2023年3月23日)
時価総額 669,986百万ドル(2023年3月23日)
発行済株数 2,477百万株(完全希薄化後)
発行済株数 2,464百万株(完全希薄化前)
単位:百万ドル、%、倍    
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
注3:会社予想は予想レンジのレンジ平均値。

表5 エヌビディアの市場別売上高(四半期)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

表6 エヌビディアの市場別売上高(年度)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

3)今後6~12カ月間の目標株価を前回の320ドルから370ドルに引き上げる

 今後6~12カ月間の目標株価を前回の320ドルから370ドルに引き上げます。2025年1月期楽天証券予想EPS 5.73ドルに、2025年1月期営業増益率68.4%よりPEGレシオ=1倍前後として想定PER60~70倍を当てはめました。

 エヌビディアはマイクロソフトと並んでAIブームの中核企業と位置付けられます。引き続き中長期で投資妙味を感じます。

本レポートに掲載した銘柄:マイクロソフト(MSFT、NASDAQ)エヌビディア(NVDA、NASDAQ)