ブログやインスタグラムで投資情報を発信している、30代ワーママ、りさぱんさんへのインタビュー、後編をお届けします。今回はこれから投資を始めたいという人へのアドバイスを中心にお伺いしました。また、2024年にスタートする新NISAについても聞きました。
YouTubeの動画を見せて旦那さんの投資嫌いを解消
──優待つなぎ売りの資金などはかなりの大金ですが、ご家族は納得しておられるのでしょうか? 旦那さんは最初からOKでしたか?
りさぱんさん 夫は投資に興味がない人なんですよ。実は以前、FXに手を出して痛い目にあったということで、私が投資を始めるよ、という話をしたとき「自分はそれに懲りて、きっぱり足を洗ったんだ」と言っていました(笑)。
──でも、今は、投資信託の積み立ては、りさぱんさん個人ではなく、りさぱん家として行っているんですよね。
りさぱんさん 私の給与と夫の給与を合わせた中から、毎月25万円積み立てています。
──とすると、旦那さんの了解も必要だったと思いますが…了解は取れましたか?
りさぱんさん はい。だから、投資信託はこういうものなんだと、私から夫に説明して、納得してもらいました。
──資産形成の必要性をパートナーに説いても耳を傾けてくれないという声をよく聞きますが、りさぱんさんはどう説得したんですか?
りさぱんさん うちの場合、一緒にYouTubeの動画を見るようにしました。私は投資関連の本もよく読むので、何冊か勧めてみたのですが、彼はページをめくろうともしませんでした。でも、動画だとしぶしぶながら、つきあってくれるんです。
今は投資系のチャンネルがたくさんありますから、投資信託の仕組みをわかりやすく解説した動画などを見せると効果があると思いますよ。でも、夫はいまだに投資には興味がないみたいです。動画を見ていてもすぐに飽きてしまいますし。最近は、一緒に見ている子供のほうが熱心に見ています(笑)。
──お子さん、5歳ですよね。5歳で投資の動画に興味を示すんですか?
りさぱんさん そうなんですよ(笑)。もちろん、理解しているわけではないでしょうが。
──なんか、息子さんの将来が見えるような気がします。偉大な投資家への道をまっしぐらに歩んでいきそう(笑)。
りさぱんさん じゃあ、そろそろ本格的に投資教育をしなきゃいけないですね(笑)。
新NISAでFIREが近くなる!?
──毎月25万円積み立てているとのことですが、何を買われているんですか?
りさぱんさん 「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」とか「楽天・VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)」とか、米国株式に投資するファンドがメインです。ほかに日本以外の先進国に投資するファンドも積み立てています。
──日本株は組み入れていないんですね。日本経済には期待していない?
りさぱんさん そういうわけではなく、日本株は、優待株や高配当株など個別株として保有していますから、投資先を分散させたいので、投資信託はあえて日本株を除外しています。
──ニーサ枠やiDeCoは活用されていますか?
りさぱんさん はい、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)以外にジュニアNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)も活用しています。
──2024年1月にNISAが制度改定されますよね。新NISAについては、どんな期待をされていますか?
りさぱんさん これまでは一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか選べなかったのが、今後は併用できるようになるのがとても画期的です。しかも、年間投資上限額が大幅に増えますし、非課税保有期間も恒久化されます。
その代わり、1人当たりの生涯非課税限度額が設定されますが、その額は1,800万円です。従来、限度額は、一般NISAが600万円、つみたてNISAが800万円でしたから、大幅に拡大されます。私たちにとってはいいことずくめだと思っています。
──資産形成におけるメリットは大きいですね。
りさぱんさん 実は最近、「将来、FIREできたらいいな」と、夫と話すようになりました。いずれ2人とも会社員を辞めて、のんびり暮らせたらいいなと。今回の改定を知り、それが少し現実味を帯びてきたかなと思いました。
夫婦2人合わせると、生涯で3,600万円まで非課税で運用できます。新NISAの枠内で大きな資産を形成できるため、FIREを目指す上では断然、有利になると思います。
──何年後くらいまでにFIREしたいと考えているのですか?
りさぱんさん 具体的なスケジュールまで決めているわけではありませんが、遅くとも50歳くらいまでには実現したいですね。
初心者へアドバイス!「優待品の重さ=投資家の自信」
──新NISA制度で、新しく投資を始める人も増えるのではないかといわれています。りさぱんさんなら、投資初心者の方にどんなアドバイスをしますか?
りさぱんさん まったく投資経験がないのであれば、投資信託の積み立てから始めてみてはどうでしょうか。トウシルさんの読者であれば、すでにつみたてNISAなどを利用して、積み立てを行っている人が多いと思いますが、まだ始めていないならすぐに検討してみるといいと思います。
──りさぱんさんも投資信託の積み立てを行っているんですか?
りさぱんさん もちろんです。私は、前に話したように株主優待から入ったのですが、その頃は投資信託のことはよく知りませんでした。今思うと、恥ずかしい話ですが、怪しげな金融商品と思い込んでいて、遠ざけていたんです(笑)。ところが、その後、勉強したら、怪しいどころか、個別株よりも安全性が高い場合が多いとわかり、すぐに積み立てを始めました。
──インスタグラムのフォロワーには同世代の女性が多いとのことですが、読者から質問や相談が届くこともあると思います。どんな内容が多いですか?
りさぱんさん 株式投資に関心があるが、何から始めたらいいかわからない、という相談が多いですね。
──そのときはどう返答するんですか? 優待つなぎ売りはオススメしますか?
りさぱんさん いえ、それはありません。私の場合、比較的早く、ステップに慣れることができたのですが、それは優待つなぎ売りを始めるまでに、4年間くらいの投資経験があったからです。どうやって株を買うか、売るかなどの基本的なルールはわかっていましたし、売買で得をしたり、損をしたり、ひと通りの経験もして、注意点もある程度身についていました。
だけど、全く投資経験がない人が、いきなり優待つなぎ売りをするのは、難しいと思います。初心者からやってみたいと相談を受けたときは、まずは基礎となる積み立て投資を始めてみることをお勧めします。
だけど、積み立て投資は、最初に銘柄や積立額を設定したら、あとはほとんどやることがなくて、投資の楽しさや醍醐味(だいごみ)はイマイチ実感できないんじゃないかと思います。だから、少し慣れてきたら、個別株投資に挑戦し、投資の面白さを知ってほしいと思います。
──最初はやはり優待銘柄がオススメですか?
りさぱんさん そこはその人が何を求めるかによって違うかも。リターンが分かりやすい高配当株をうれしいと思う人もいるし、知名度のある銘柄を保有することで満足感がある人もいるし…。ただ、個人的にはやはり優待銘柄から始めることを勧めたいですね。家に優待品が届くとテンションが上がって、「投資って面白い。うれしい」とダイレクトに思えるはずです。
──りさぱんさんはどんな優待品が届くとうれしいですか?
りさぱんさん 買い物券や食事券も捨て難いですが、いちばん好きなのは、その会社の商品がもらえる優待です。これは、食品会社に多いんですが、自社商品の詰め合わせみたいな優待がよくあります。あらかじめ中身がわかるものもありますが、そうではないものもあります。そんなときは、いったい何が入っているんだろうとドキドキしながら開封します(笑)。
──具体的にはどんな銘柄ですか?
りさぱんさん すぐ思いつくのは、おつまみで有名ななとり(2922)かな。ビーフジャーキーやサラミ、さきいか、ピーナツなど10種類くらい入っていました。あと、永谷園ホールディングス(2899)や伊藤園(2593)、名糖産業(2207)なども商品の詰め合わせで、箱を開けた時はうれしかったですね。
──ほかには?
りさぱんさん お菓子のメーカーで、正栄食品工業(8079)という会社があります。ここも自社製品の詰め合わせなのですが、量がすごいんです。チョコレートやクッキー、ナッツなどがドカンと届いて、満足感があります。お子さんがいると喜ばれると思います。
りさぱんさん 投資初心者の方も、ぜひ優待投資にチャレンジしてみてほしいです。「私は投資家だ!」という実感をずっしりと満喫できて、きっと自信にもつながるはずですよ(笑)。
>>前編「桐谷さんに憧れて始めた優待、立派なマニアに成長」
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