今回は、ブログやインスタグラムで投資情報を発信している、30代ワーママ、りさぱんさんへのインタビューをお送りします。りさぱんさんは、7年前、優待投資家の桐谷広人さんの存在を知り、株主優待投資をスタート。以降、仕事と子育てをしながら投資を続け、投資デビュー7年で資産は3,000万円を達成しています。

 また現在は、ここ数年、個人投資家の間で人気を集めている「優待つなぎ売り」も意欲的に行っています。まず前編では、投資を始めたいきさつや現在の保有銘柄についてお伺いしました。

▼りさぱんさんプロフィール

夫と5歳の長男と暮らす30代ワーキングママ。フルタイムで働きながら、株主優待や高配当株、米国ETF(上場投資信託)など幅広く投資を行っている。2020年にInstagramを開始。自身が得意とする「優待つなぎ売り」をメインに投資情報を発信している。Instagramのフォロワーは約1万2,000人。
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優待名人・桐谷さんに憧れて始めた優待投資

──投資を始めて7年とのことですが、まずはどういうきっかけで投資を始めたのですか?

りさぱんさん 当時、元プロ棋士で個人投資家の桐谷広人さんが「優待名人」としてテレビで話題になっていました。それで「株主優待」というものがあると知り、自分もやってみたいと思うようになりました。

 自転車で街を走る桐谷さんに惹きつけられ、楽しそう、面白そう…ととても興味が湧いたんです。それまで投資とは全く無縁で、興味も知識もなかった私に、投資の楽しさを見せてくれた桐谷さんには、今でもとても感謝しています。

──すぐに優待株を買ったのですか?

りさぱんさん いえ、株主優待どころか、投資の「と」の字も知りませんでしたから、図書館に行って、投資の本を何冊か読んでみました。そうしたら「まずは証券口座をつくろう」と書かれていたので、ネット証券で口座を開設しました。

 ただ、私、極度のビビりなので(笑)、証券口座を開いてはみたものの、具体的に何か金融商品を買う踏ん切りがつかなくて…。万が一、株価が暴落して、入金したお金を失うはめになったらどうしようとおびえてしまい、しばらくは決心がつかず、悶々としていました。

りさぱんさんのインスタグラム。のほほんとした表情のウサギの耳がクロスしているのが特徴。投資初心者にも分かるよう、画像でさまざまな情報を提供している。

――銘柄選びでも迷われたんですか?

りさぱんさん いえ、それはすぐに決まりました。最初は、優待投資家なら誰もが保有しているような人気銘柄がいいと思って、ビックカメラ(3048)の株を買うことにしたんです。ビックカメラは優待でお買物券がもらえるのですが、家電販売店の買物券なら使い勝手がいいなと思って、割とスパッと決まりました。

「優待銘柄を買うならビックカメラだな」、と思っているうちに、ビックカメラの権利確定日が近づいてきて。それまでに株を買わないと、次に優待をもらえるのは半年先になってしまいます。それで、「もう買うしかないな」と。

──その3カ月後くらいにお買物券が届いたと思いますが、いかがでしたか?

りさぱんさん とてもうれしかったです! お買物券そのものもうれしかったんですが、「これで投資家の仲間入りだ」と思って、そっちのほうが、テンションが上がりました(笑)。たった1銘柄で、100株を保有しただけなんですが、少しは桐谷さんに近づけたかなって(笑)。

──そのお買物券で何を買ったか覚えています?

りさぱんさん えーっ、何だったろう? さしあたって欲しいものはなかったんですよ。で、普段は買わないけれど、あったらうれしいとか、そういうものにしようと考え、たしか、防災グッズを買ったように思います。

──その後、勢いがつきましたか?

りさぱんさん はい。株主優待の権利を得るには、最低100株以上を購入しなければならない銘柄が多いので資金も必要です。次々と購入するわけにはいかなかったのですが、コツコツ現金を貯めては、少しずつ増やしていきました。

──現在は、何銘柄くらい保有されているんですか。

りさぱんさん 今は優待銘柄以外も保有しているのですが、優待銘柄だけだと8銘柄です。ビックカメラ以外に、オリックス(8591)KDDI(9433)ヤマダホールディングス(9831)ヒューリック(3003)明光ネットワークジャパン(4668)スクロール(8005)日本取引所グループ(8697)を持っています。

──優待銘柄の有名どころを押さえていらっしゃいますね。今8銘柄ということは、購入後、すでに売却した銘柄もあるということですか?

りさぱんさん あります。

──売却した理由は何ですか?

りさぱんさん 買った後に優待が廃止されたり、優待の中身が変わってしまった銘柄ですね。あと、業績が悪化して株価が下落し、このまま保有していたらマズイかなと思って売却したものもあります。いくら優待品をもらえても、株価が下がったら収支はマイナスになってしまいますから、そこは長期保有が信念の桐谷さんと違って、シビアに売りました(笑)。

お寿司が食べられる優待10選や、優待投資をしなければ出会えなかったグルメなどもインスタグラムで推し配信。家族のグルメ貢献にも優待は必須。

単元未満株と米国株ETFで配当金をゲット

──優待から入って、今は優待以外の銘柄も保有されているとのことですが、実際にどんな銘柄をお持ちなんですか?

りさぱんさん 投資を始めてから3~4年は優待銘柄だけを買っていましたが、投資の知識が徐々に増えてくると、優待銘柄以外にも興味が広がっていきました。それで、高配当銘柄や米国株ETFも買うようになりました。

──優待ではなく配当金というかたちで還元される銘柄も買うようになったんですね。

りさぱんさん はい。優待品や商品券も捨て難いんですが、現金がもらえるのもやっぱりうれしいですから(笑)。

──最近買った、高配当銘柄を教えていただけますか。

りさぱんさん 三井物産(8031)住友商事(8053)三菱商事(8058)日本電信電話(9432)三井住友フィナンシャルグループ(8316)東京海上ホールディングス(8766)などです。

──どれも人気銘柄で、株価も安くないと思いますが、100株ずつ買うにはそうとう資金がいるのでは?

りさぱんさん 私の場合、いわゆる「単元未満株」から始めることが多いです。まずは1~10株だけ買って、株価の動向などを見ながら、もっと欲しいと思ったら買い増ししていきます。

──なるほど、それなら複数銘柄を保有できますね。

りさぱんさん はい。投資資金は限られているけど、配当金をもらいたいという人は単元未満株を検討してみるといいと思います。もちろん、数株の保有だと、配当金はわずかですが、それでも株を保有してお金をもらうという醍醐味(だいごみ)を知ることができると思います。

──さきほど、米国株ETFも購入したとおっしゃいましたが、きっかけは何ですか?

りさぱんさん ここ数年、米国株投資の人気が高まっていますよね。それで私も米国株を買ってみようと思ったのですが、米国株は、どの企業が成長しそうか、などが全く分からないので、個別株でなく、米国の株価指数に連動するETFを買うことにしました。

──米国株ETFにもいろいろな銘柄がありますが、どれを保有されているんですか。

りさぱんさん こちらも配当金をもらえるものを中心に買っています。日本でも人気が高いので、保有している人も多いと思いますが、「VYM」「SPYD」「HDV」などです。あと、債券ETFの「LQD」も保有しています。

2022年の米国ETFの配当金も公開。投資したお金に働いてもらって$111ドルはうれしすぎる。

──それらを選んだ理由は何ですか?

りさぱんさん 私がよく見るYouTubeの投資系チャンネルで見たのがきっかけです。ただ、その情報だけをうのみにして買うのもよくないかなと思い、どんな銘柄なのか自分でもよく調べてみました。それで、これなら安心して保有できるかなと。

 LQDは、社債のETFなので、株の暴落時にポートフォリオの損失をマイルドにするためと、毎月配当なので不労所得を実感するために(笑)購入しました。VYMは金融セクター多め、HDVはエネルギーセクターが多めのため、銘柄分散させるため。SPYDは、投資の神様ウォーレン・バフェットが推しているS&P500種指数に連動していて安心感があるために購入しました。

──配当金はもらいました?

りさぱんさん はい。そこまで大きなお金を投じているわけではないので、金額はそんなに多くないのですが、何度か入金がありました。米国株ETFは、今後も少しずつ増やしていきたいです。

──りさぱんさんは「優待つなぎ売り」も行っていますよね。優待つなぎ売りは、最近、やる人が増えていて、トウシル読者の間でも関心が高いので、次回はそれについて詳しくお伺いします。

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