ようやく決算発表シーズン終了。ネガティブサプライズの場合は?

 2月15日を過ぎ、ようやく3月期決算企業の第3四半期決算シーズンが終わりました。とはいえ、3カ月後には本決算の決算発表を迎えますから、それまでは束の間の安泰という感じでしょうか。

 とにかく、決算発表シーズンが最も株価の乱高下が起きやすい時期ですから、それが過ぎた後は利益を得やすくなるのは事実です。

 今回の決算発表シーズンは、個人的にそれほど波乱は起きなかったかな、と思います。それでも筆者自身、上昇トレンドで高値更新を続けていた銘柄が今回の決算で通期予想の下方修正を発表したために急落して、なかなかの痛手を食らいました。

 また、空売りをしていた銘柄が寄り付きから急上昇してストップ高まで急騰、何とか買い戻しはできたものの損切りの額がだいぶ膨らんでしまった、という苦い経験も先日しています。

 本日も個人投資家の方と話をしていたのですが、「週末の決算発表で業績予想の下方修正が発表された。何とか週明けに売り抜ける方法はないか?」と聞かれました。

 しかし残念ながら、決算発表の内容がかなり悪い(ネガティブサプライズ)の場合、翌営業日は買いをはるかに上回る数の売りが殺到し、寄り付かずにストップ安比例配分となることが多いです。そうなると、その日はよほど運が良くないと売ることができず、翌営業日にさらに安くなったところでようやく売れる、という状況になります。

 では、この「決算発表により株価が急落する」ことを未然に防ぐことはできるのでしょうか?また、できるとした場合、それが本当に得策なのでしょうか?

決算発表後の株価急落を事前に回避することは可能。でも…

 決算発表により株価が急落することを事前に回避することは可能です。決算発表の前に、その株を売っておけばよいだけです。

 ただ、逆に決算内容を好感して株価が急騰した場合、その波に乗ることができなくなってしまいます。

 要は、株価急落のリスクを回避しようとすると、株価急騰に乗れず、逆に株価急騰に乗れないリスクを回避しようとすると、株価急落に巻き込まれてしまう可能性があるということです。

 そして、株価が急騰するか急落するか、事前に予想するのはかなり難しいというのが現実です。

 そもそも、急騰か急落かを多くの投資家が事前に予想することができるのであれば、決算発表前に株価がそれを織り込んでいることになるため、サプライズ決算とはならずに急騰も急落もしなくなるはずです。

SNSの書き込みは無視してOK

 決算発表でネガティブサプライズの数字が発表されると、SNSでは決まって

「私はこうなると思っていたから発表前に全部売却済み」
「決算発表前に売れなかった奴、センスないから株式投資やめた方が良い」

などというコメントであふれかえります。

 しかし、こうした書き込みは一切無視してOKです。

 もし、決算発表でポジティブサプライズの数字だった場合、おそらくSNSでの書き込みはこのようなものになるでしょう。

「私はこうなると思っていたから発表前に大量に買い増ししました!」
「決算発表前に売ってしまった奴、センスないから株式投資やめた方が良い」

 このように、SNSの書き込みは後出しじゃんけん的なものが多いですので、気にしないようにしましょう。

決算発表後急騰・急落するかどうかは運の要素も大きい

 筆者は株式投資を25年間続けていますから、決算発表後に保有株が急騰して歓喜したことも、逆に保有株がストップ安を連発して頭を抱えたことも数え切れないほどあります。

 正直、決算発表後に急騰したり急落するかどうかは、運の要素も相当大きいと思っています。

 ですから、もし決算発表後に急落した銘柄を保有していたとしても、特に気にすることはないと思います。長年株式投資を続けていれば、今後も同じようなことが何度も起こり得るのですから。

 ただ、それでも多少の工夫で、その頻度を下げることはできるかもしれません。筆者であれば、決算発表前の時点で株価が下降トレンドの場合は保有しないことにしています。

 決算発表の内容が良ければプロがそれを察知しているために上昇トレンドになり、逆に決算発表の内容がイマイチであれば、下降トレンドになっている可能性が高いからです。

 また、決算発表前の時点で、すでに株価が短期間に大きく上昇している場合は、決算発表の内容がどうであろうとも、利食い売りにより株価が急落することもよくあります。決算発表前に一部利食いしておくのも悪くないでしょう。

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