皆さま、こんにちは!
日本では新型コロナウイルス感染の第八波を迎え、感染者数が連日増加傾向でインフルエンザとのダブル感染が警戒されています。
中国国内では11月下旬に各地でデモが行われた影響か、中国当局は12月7日に厳しい「ゼロコロナ」政策の撤廃を発表し、実際に9日以降、病院や一部の商業施設以外は、この2年間で日常生活を支配してきた健康管理アプリ「随申码」の提示(48時間以内のPCR陰性証明)が不要となり、外出がスムーズになりました。
また、陽性となった場合でも集団隔離ではなく、7日間の個別自宅療養に変更され、部屋の玄関ドアが封鎖されます。
ゼロコロナ政策の緩和後、中国国内の感染者数は?
まずは日本と中国の感染者数における本質の違いを見てみましょう。
日本で発表されている感染者数は主に、風邪症状やのどの痛み、発熱など体調不良を訴え、病院や指定機関でPCR検査や抗原検査を行った結果、陽性となった人数です。
一方、中国では生活上の買い物や会社への出勤をする際、「グリーン健康コード」(48時間以内のPCR陰性証明)を提示しなければならないため、住民は体調不良がなくても、自主的に2日に1回のPCR検査を行っていました。そのため、発表された感染者数の9割以上が無症状の方です。
しかし、政策緩和以降は正確に把握できる手段がなく、中国当局は14日から無症状の感染者数を発表しないこととしました。
11月中旬に海外入国者の隔離政策を緩和してから、中国国内での感染者数はなかなか減少傾向にならず、都市間の移動を減らすため帰省時の5日間外出制限を設けましたが、長くは続きませんでした。
日本は約1億人の人口に対し12月17日時点の累計感染者が約2,700万人、中国は約14億人に対し12月16日時点の累計感染者が約190万人、2年間にわたる「ゼロコロナ」政策は厳しいながらも、ある程度いい効果を見せてくれました。
住民が意外な行動に!病院の発熱外来が大混乱!
「ゼロコロナ」政策が実施された間、中国住民は生活の不自由や隔離生活のひどさを主張し、政策の大幅緩和を要求してきたのですが、いざ政策が緩和されると感染者数が増えたことで逆に不安を感じ、自主的外出は控えがち、大半の住民は外出中にN95マスクを着用しています。
病院の発熱外来が混雑し、一部薬局で抗原検査キットや風邪薬が一時的売り切れ状態に陥っていました。学生に対しては受験生以外の登校が控えられ、19日からほとんどの授業がオンライン実施、幼稚園も登園自粛が要請され、旧正月前の冬休みが早まる傾向にあります。中国当局は年配の方にワクチン接種を積極的に行うよう呼び掛けています。
また、ゼロコロナ政策が緩和された翌日以降、感染者増加のためか、PCR検査の結果判明が6時間から12時間以上に、再検査が必要とされる住民も続出しています。背景として、中国における集団PCR検査にあります。集団PCR検査は、10人の唾液を一つの検査液チューブにまとめて検査する手法で、人口が多い中国では特に効率的と見られます。
一方で、誰か1人分でも陽性結果が出た場合は10人全員が再度個別検査の対応となり、完全な効率化か否かは難しいところです。
いずれにせよ、今後の感染状況および対策を引き続き注目していきましょう!