1月の株主優待銘柄

 新年初の2023年1月優待株は、1月27日(金)が権利付き最終日で、土日を挟んだ1月30日(月)が権利落ち日になります。権利確定日は翌1月31日(火)です。

 1月27日(金)に株を買って28、29日の土日を超えて30日(月)まで保有すると優待権利を獲得できます。

 1月の優待株は30銘柄※。銘柄数は少ないものの、優待品は新米、旅行に使える宿泊招待券、ネット通販の買物割引券、豪華6,000円相当の自社飲料品など個性豊か。

 使い勝手のいい居酒屋、レストラン、ラーメン店優待もあり、映画館運営企業の映画招待優待が集中している月としても知られています。

※楽天証券 株主優待検索より

 身近に店舗があれば、ぜひ利用したい飲食券優待で9位以下の銘柄には、

  • 焼き鳥チェーンの鳥貴族ホールディングス(1月・7月末、100株保有で1,000円分の食事券)
  • 肉汁餃子「ダンダダン酒場」のNATTY SWANKYホールディングス(1月・7月末に100株以上保有で一律、食事券1万円分)
  • ラーメンチェーンの丸千代山岡家(1月・7月末、100株保有で510~1,300円のラーメン無料券2枚もしくは乾麺1セットかお米2kg)

 などがあります。

 水辺や公園などにおしゃれなカフェレストランを展開するバルニバービ(1月・7月末、100株保有で食事券1,000円分)も人気の外食系優待株です。

 ただし、同社はコロナ禍による業績不振で、決算書に継続企業の前提に関する重要事象等の注記があります。

 今期2023年7月期は営業黒字化する予想になっていますが、投資には細心の注意が必要です。

 映画鑑賞系優待は、近畿圏のオーエス、きんえい、スバル興業、首都圏の東京楽天地など。

 投資金額が約90万円前後と高額になりますが、スバル興業なら1月末に100株保有で、全国「TOHOシネマズ ギフトカード」2,000円分が贈呈されます。利用可能な映画館が多くて便利です。

 そんな1月優待の人気1位となったのはハウスメーカー大手の積水ハウス。1月末に1,000株以上保有で魚沼産コシヒカリ5kgが贈呈されます。新米のため、贈呈日は2023年10月下旬と、少し間が空きます。

 条件の1,000株保有には約250万円前後の資金が必要なので、ハードルはかなり高めです。

 同社は好業績が続き、株価も右肩上がりで配当利回りも4%超。資金に余裕がある人向きの優良高配当銘柄ともいえるでしょう。

 第2位は日本駐車場開発。同社の優待取得には1,000株(投資金額約24万円)以上の保有が必要です。1月末には、子会社の日本スキー場開発が運用するリフト利用割引券3枚と、グランピングも楽しめる那須高原TOWAピュアコテージ宿泊券2枚が贈られます。

 7月末株主には、時間貸し駐車場の1日料金30%割引券5枚のほか、リフト利用割引券3枚、温泉施設利用割引券1枚などが贈呈されます。

 今期2023年7月期の業績は、コロナ収束によるリゾート施設の活況で大幅増収増益予想。株価も急上昇中です。

 同社のスキー場や宿泊施設は長野や栃木、群馬に多いため、これから旅行に出かけたい関東圏の人にはおすすめのリゾート系優待といえるでしょう。

 第3位はPC関連のネット通販サイト「ECカレント」を運営するストリーム。1月末に100株保有で、「ECカレント」などで利用できる優待割引券1,000円分が贈呈されます。

 同社の株価は110円台。投資金額1万1,000円前後で、1,000円の優待割引券と300円の配当金(2023年1月期予想)がもらえます。非常に費用対効果の高い優待といえるでしょう。

 第4位は飲料品メーカーのダイドーグループホールディングス。同社の決算日である1月20日(金)に半年以上継続して100株以上、株を保有していれば一律で6,000円相当の自社飲料品が贈呈されます。品数豊富でとても豪華です。

 また半年継続保有していなくても、1月・7月20日時点の株主にグループ企業商品の優待価格での販売特典もあります。

 権利取得には権利付き最終日の1月18日(水)までに株を購入する必要があります。

 第5位はガーデニング用品の企画・販売を行うタカショー。こちらも1月18日が権利付き最終日で、500株(投資金額約35万円)保有の場合、タカショー・プレミアム優待倶楽部で使える3,000ポイントが贈呈されます。

 ポイントは同社が扱うガーデニング関連商品のみと交換できます。

 100株保有の株主にも、株主特別販売カタログやオリジナルカレンダーが送られます。

 第6位は半導体関連の技術商社・菱洋エレクトロ。1月末に1,000株以上保有の株主に一律、3,000円相当のギフト商品が贈られます。

 1,000株の投資金額は約240万円前後とハードルが高いですが、500株を1年以上継続保有していても優待がもらえます。

 国内約2万5,000カ所以上の宿泊施設割引など会員限定優待サービスもあります。

 第7位は物置、オフィス家具メーカーの稲葉製作所。1月末株主には1,000株(投資金額約137万円)保有が条件ですが、1,000円分の図書カードが贈られます。

 7月末は100株保有でも1,000円分の図書カードがもらえます。

 第8位はオリジナル家具・雑貨の企画販売を行うミサワ。1月末に300株(投資金額約19万円)以上か、100株を3年以上保有で、同社ショップ「unico」のタオルセットやマグカップなどから1点優待品を選べます。

インバウンド関連の優待株の上昇に乗りたい!

 コロナ収束で2022年秋から訪日外国人の入国制限が撤廃されたこともあり、最近は東京や観光地などで、たくさんの外国人旅行者を見かけるようになりました。

 1ドル140円台前後の円安もあって、外国人にとって物価の安い日本は非常に魅力的な海外旅行先になっています。

 2022年後半からは百貨店やホテル、リゾート関連企業など、優待制度も実施しているインバウンド(訪日客)消費関連株が急上昇しています。

 1月優待人気第2位の日本駐車場開発もその一つ。子会社の日本スキー場開発のスキー場には、日本の雪を求めて海外から観光客が大挙し訪れそうです。

 それを見越して2022年1月に安値130円をつけた同社の株は、10月20日に高値266円まで2倍以上急騰しています。

 三越伊勢丹ホールディングスは、100株保有で利用限度額30万円まで買物10%割引のある人気優待株ですが、2022年11月現在で株価が前年比40%以上も上昇。

 ほかの百貨店株もコロナ収束による高額消費ブームもあり、軒並み株価が急上昇しています。

 全国各地に「ドーミーイン」ブランドでホテルを展開する共立メンテナンスには、3月・9月末に100株で、同社グループ施設利用割引券1,000円分の優待制度があります。同社の株価もインバウンド需要の拡大を期待して、年初から最大58%も上昇。

 2023年はインバウンド消費が本格化に盛り上がりそうです。例えば、ホテル宿泊優待がある観光・不動産関連企業やJ-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)に投資するにはいい時期といえるかもしれません。

 優待株の主役である外食チェーンや小売り関連企業も、コロナ収束でいよいよ業績復活、株価上昇に期待が持てるようになりました。

 円安による原材料高をこなして、高額消費や外国人観光客の需要が見込める内需系優待株は、2023年の日本株の主役になるかもしれません。