※この記事は2022年8月26日に掲載されたものです。
>>前編「兼業投資家でYouTuber、いつ撮ってるの!?」
>>後編「初めての優待株、どんな銘柄を狙うべき?」
チャンネル登録者4万人以上を誇る、投資系YouTube「株主優待ライダー・株主優待チャンネル」のカブ主優待ライダーさん。インタビューの中編をお届けします。今回は、100銘柄以上の株主優待株を運用してきた経験をもとに、銘柄選びのポイントについて伺いました。
ボリューム系優待が好き
──株主優待に興味を持った読者に、どのような視点で銘柄を選ぶべきか、アドバイスをいただけますか? 初心者の場合、どんな優待品をもらえるかで選ぶのが普通だと思いますが。
カブ主優待ライダー それでいいと思いますよ。自分が欲しくないものや、使いもしないものをもらってもしょうがないですから(笑)。
──まずは優待銘柄一覧のようなものを見て、欲しいものがないか、探してみる、というような、物ありきのやり方でもいいんでしょうか。
カブ主優待ライダー はい。問題ないと思います。それでコレというものがなかったら、カタログギフトやQUOカードなんかを検討してみるといいかもしれません。カタログギフトだったら好きなものを選べるし、QUOカードならほしいものを買えますし。
──ライダーさんご自身は何がうれしいですか。
カブ主優待ライダー 今は食事券ですかね。家族で楽しめますから。
──自分が好きな飲食チェーンの株を買ってみるのもいいかもしれないですね。
カブ主優待ライダー ただ、僕はそれで1度、失敗しているんです。家の近くによく行く飲食チェーンがあって、そこの優待株を持っていたのですが、そのお店が撤退してしまって、近くに行ける店がなくなってしまって…。
だから、食事券をもらっても使えなくなった。といって捨てるのももったいないので、愛車のスーパーカブにまたがって、県外のお店に食べに行ったんですが、ガソリン代を考えると赤字だったかなと(笑)。
──日本中どこにでもお店があるチェーンなら問題ないですが、そうでない場合、どこにお店があるのか確認しておくべきでしょうね。
カブ主優待ライダー 買い物券や割引券なんかも同じです。使えるお店が近くになかったら、無駄になってしまいますから。
──ほかに好きな優待品はありますか。
カブ主優待ライダー 正栄食品工業(8079)という食品会社があるのですが、ここの優待品はボリュームがすごいんです。年2回、いろんなお菓子の詰め合わせが届きます。また、DM三井製糖ホールディングスという会社も、普通の家庭では使い切れないくらい商品を送ってくれます。
僕はこれらを「ボリューム系優待」と呼んでいるのですが、そういう大箱がドカーンと家に届くとテンション上がりますね! お菓子や砂糖類なので金銭的にはしれていますが、これ、全部タダなんだと思うと、ウキウキしてくる(笑)。
──何となくわかります(笑)。
カブ主優待ライダー だから、ボリューム系優待も大好きです。
株価と優待品とのバランスもチェックすべし
──まずは優待の中身で選ぶとして、次は何をチェックしたらいいでしょう?
カブ主優待ライダー やっぱり業績の割に優待品が豪華すぎたりしていないか、そのバランスを確認しておくとよいと思います。
──例えば、投資額が1万円なのに、ものすごく豪華で高価な優待品が用意されているなどですか?
カブ主優待ライダー はい、豪華すぎる優待は注意が必要です。例えば業績が悪化して株価が暴落すると、優待の内容を下げてしまったり、最悪、優待を止めてしまったりします。優待を廃止すると株価はたいてい急落するので、投資価値も急落して危ない。
──ものに目がくらんでしまってはいけない、ということですね。優待内容と、配当金、財務状況など、銘柄の総合力をチェックすべきなんでしょうね。
──ほかに何かありますか。
カブ主優待ライダー 当然、株価も考慮すべきでしょうね。
──前回おっしゃっていたように、割安なときに買ったほうがいいんですよね。
カブ主優待ライダー それ以前の問題として、最初は手頃な値段で買える銘柄から始めたほうがいいように思います。株価が高いのは、それだけ市場で評価されているということですから、保有するのは悪いことではありません。
しかし、慣れないうちは、何か危険な兆候があっても、知識・経験が不足していたら、自分には察知できないかもしれないので、まずは少額で始めることを勧めます。
──とはいえ、最低100株買わないと優待の権利は得られないので、それなりの資金が必要です。
カブ主優待ライダー 1株1,000円以下の銘柄も少なくないので、10万円以内で始めることも可能です。
──ライダーさんは、いくらくらいの銘柄を保有しているんですか。
カブ主優待ライダー それはもうまちまちです。1,000円以下の銘柄もあれば3,000円以上の銘柄もあります。ただ、もし50万円の資金を自由に投資していいとなったら、1株5,000円の銘柄を100株買うのではなく、1,000円の銘柄を100株ずつ5種類買うと思います。そのほうがいろんな優待がもらえて楽しいですから。
廃止になってもすぐには売却しない
──現在、何銘柄を保有しているのですか。
カブ主優待ライダー 100銘柄以上保有しています。ただし、前に話したようにほとんどは100株しか持っていないので、総額はしれていますよ。
──年に2度、優待品をもらえる銘柄も多いですよね。とすると毎日のように優待品が届くのではないですか。
カブ主優待ライダー 優待品が届く時期は銘柄によってまちまちなのですが、6月ごろと12月ごろに集中します。その時期は1日に何個か届くこともあります。
──それだけもらうと使い切れなかったり、食べきれなかったりしませんか。
カブ主優待ライダー 食事券や商品券は使用期限が定められている場合が多いのですが、たまに使うのを忘れてしまうことがあります。もったいないので、早めに使うようにはしていますが。
──10年前に株主優待を始めたとのことですが、10年間ずっともらい続けているものもありますか?
カブ主優待ライダー たくさんありますよ。いちばん最初に買ったはるやまホールディングスもそうだし、ビックカメラや吉野家ホールディングスもそうです。そもそも僕は売却することはほとんどないんです。だから、どんどん増えていくんですが(笑)。
──東京証券取引所の再編もあって、ここにきて株主優待制度を見直したり、廃止したりするところが増えていますよね。廃止されても売却しないんですか?
カブ主優待ライダー 株主優待とともに配当金もあって、株主優待だけ廃止するという場合は、保有し続けます。優待がなくなっても配当金は入るわけですから。もともと株主優待だけという場合は、インカムゲインはいっさいなくなるので、売却を考えます。ただし、すぐ売ることはないですね。
株主優待が廃止されると、売却する人が増えるので、株価が下がることが多いんです。大きく下落することも珍しくありません。でも、僕の経験上、しばらくすると上昇に転じることが多いんです。だから、あわてて売らずに様子を見るという感じです。
──前回、会社が危機的状況におちいると、株主優待どころではなくなり、廃止するという話がありました。経営が悪化して廃止した場合、なかなか株価は戻らないのでは?
カブ主優待ライダー 企業が株主優待制度を廃止する理由はさまざまで、経営が傾いて、やむなく廃止するというケースは案外少ないんです。
とくに最近は、東証再編で株主数の制限が緩和され、個人投資家にアピールする必要がなくなった、海外投資家が増えているので公平性の点でふさわしくない、といった理由で廃止するケースが多い。だから、一時的に下落しても、すぐに上昇に転じることが多いんです。
──だとしたら、焦って売る必要はないかもしれませんね。
カブ主優待ライダー はい。だから、株価が買ったときの金額に戻るまで待って、そこで初めて売却を検討するようにしています。
──なるほど。では、次回はライダーさんの注目銘柄についてお伺いします。
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