2022年内に重複プライマリー上場へ

 7月26日、中国電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(BABA,NYSE; 9988,香港)が香港で「プライマリー上場」を申請すると発表しました。ニューヨーク証券取引所(NYSE)とのデュアル(重複)プライマリー上場となります。現在のセカンダリー上場からプライマリー上場への切り替え手続きは、2022年末までに完了する見込みです。

 アリババ社は2014年9月にNYSEに上場し、IPO(新規株式公開)の調達額で史上最高値(当時)を記録。その後、2019年に香港で条件の緩い「セカンダリー上場」をしています。同社によれば、2022年1-6月期、1日あたりの平均取引額は香港市場で約7億ドル、米国市場で32億ドルでした。

 この日午前中の電撃発表を受け、午後の香港市場でアリババ社株は6%近く上昇。また、同社株の24.7%を保有する筆頭株主であるソフトバンクグループ株は同日の取引で続伸し、一時、前日比3.2%高の5,682円と6月9日以来の日中高値を付けています。

 アリババ社による申請の背景には、今年1月、香港証券取引所が、種類株を発行する革新的な中国企業に重複プライマリー上場を認める規則変更を行っていた経緯があります。

 イノベーション型IT企業最大手の一つである同社は、この規則変更を受けて、それを利用する最初の企業となった形です。