2.欧州株式市場の状況

欧州株式市場は、株価モメンタム的には底値圏、株価水準はおおむねフェアバリュー圏

 欧州株式市場も、米国の利上げ加速への警戒の影響を受け、年初から調整を始めていました。そして、米国株と同様に足元でロシアがウクライナ侵攻を進めていることで、市場全体がリスクオフとなり、さらに下げ足を速めています。

 直近高値から安値までの下落率は、ストックス欧州600指数で▲11.2%とS&P500株価指数とほぼ同程度の調整幅となっています。(共に2月24日まで)

 欧州株式市場についても「買い」なのかを検討してみると、株価モメンタムを表す"RSI"は、上昇トレンドにあった昨年終盤時点で売られ過ぎのメドとされる30%を何度も付けており、株価の勢いは元々失われつつあったことがわかります。

 そして、ウクライナ情勢緊迫化によるダメ押しで、30%を明確に下回りました。欧州株式市場も、株価モメンタム的には「循環的な底値」に達した可能性が考えられます。

 一方、"PER"で見てみると、ストックス欧州600指数のPERは14倍程度に低下してきており、過去10年間程度の平均的水準に低下していることから、おおむねフェアバリューに達したと考えています。

[図表2]  ストックス欧州600指数とRSIの推移

期間:2021年3月1日~2022年2月24日、日次
(出所)Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成