2.より大きく調整するNASDAQ総合指数

NASDAQ総合指数(以下、NASDAQ)は昨年末比で12.0%調整(1月21日現在)

 NASDAQについては、既に昨年末比の調整幅が10%を超えており、一般的に言われる「調整局面」に入ったとされています。グラフにはありませんが、25日時点では昨年高値比からの調整幅が15%を超えています。

 図表2は、NASDAQとそのEPSの推移です。EPSについては、この間の平均PER(株価÷EPS)である24.7倍にして表記しています。ご覧のように、NASDAQはEPSに沿う形で上昇してきました。

 ただし、2019年まではEPSよりも下側で推移していた一方、コロナ・ショックを挟んで以降は、EPSより上側を推移するようになり、足元でその乖離が縮小に向かっています。

 業種構成比を見ると、上述した3業種の情報技術(40%)、一般消費財・サービス(15%)、コミュニケーション・サービス(23%)で、合計で8割近くを占めており、S&P500を大きく上回っている分、足元の調整幅も大きくなっています。

 これらのハイテク株がどうなるかが今後の注目点になりますが、社会のデジタル化、自動運転、EV(電気自動車)など、ハイテク企業が活躍するシーンは容易に想像でき、長期的な期待値は大きいと思います。

 したがって、短期的に行き過ぎた株価、つまり、若干の割高感が調整すれば、投資を再検討しても良いと考えています。図表2で株価がEPSを下回るのはもう少しですので、調整局面も今しばらくの辛抱であると考えています。

[図表2]  NASDAQ総合指数(株価とEPS)の推移と業種構成比

期間:2016年12月30日~2022年1月21日、日次
業種構成比はGICS(世界業種別分類)に基づき、2022年1月21日現在の時価総額による。なお、小数点以下を四捨五入して表示している。
(出所)Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成