どんな銘柄を、どのように買えばよい?
ポイント投資に限らず、いざ資産運用を始めるときに悩むのが、どの銘柄を、どのように買えばよいのかということ。そこで、ファンドのプロ、吉井にポイント投資における投資信託選びについて聞いてみました。
楽天証券経済研究所
ファンドアナリスト:吉井 崇裕
まず、ポイント投資のメリットが、自分のお金を使わずに少額から投資できること。銘柄選びは自由に、気軽に選んでも良いのではないでしょうか。
もちろん、上手くいくに越したことはないですが、少額での投資経験を通じて、資産運用で大事なことを学べるのが何よりのメリットだと思います。
とはいえ、やみくもに銘柄を選ぶわけにもいかないので、自分の運用スタイルを決めて、それに合った銘柄を選ぶと良いでしょう。
ポイント投資の運用スタイル別、投資信託選び
まずは、ポイント投資の運用スタイルを以下2つのタイプに分けて、銘柄を選んでみました。
(1)手堅く運用タイプ
手堅く運用タイプは、リスクをできるだけ抑えた預金に近い感覚の投資のこと。もちろん、投資信託は元本保証ではないので損しないということではありませんが、手堅く運用するためには日々の値動きが極めて小さい商品を選びます。
「たわらノーロード 最適化バランス(保守型)」は国内債券並み(年率標準偏差2%程度)、「投資のソムリエ」は先進国債券並み(年率標準偏差4%程度)の値動きの大きさを維持するよう資産配分を変更してくれる安定的なバランス型ファンドです。最も値動きが小さい投資先といえば、国内債券や先進国債券の為替ヘッジ型の(為替変動リスクを抑制した)投資信託が代表的。
ただし、日本はもちろんのこと先進国の債券利回りの水準はゼロに近い水準かマイナスに落ち込んでいるのが現状です。今後の市場環境を鑑みると、債券だけの投資ではリターンを得ることが難しいかもしれません。中長期的にリターンを得るためには、債券ファンド並みに値動きが小さく、株式やREIT(リート:上場不動産投資信託)などのリターンが期待できる資産にも一部投資してくれる安定的な値動きのバランス型ファンドが良いでしょう。
(2)コツコツ運用タイプ
コツコツ運用タイプは、銘柄選びではなく投資の方法のことで、いわゆる定額で投資をする積立投資です。すでに自分が投資している銘柄にポイントを追加投資してもよいです。
積立投資は、初心者に向いている投資方法。高いときも安いときも継続的に購入することで、買値の購入単価を平均化することができます(高値で買うことを避ける狙いがあります)。
ポイント投資でも積立投資ができるので、毎月の積立金額にポイントも追加して投資していくと良いでしょう。もちろん、投信積み立ては毎月100円からできるので、ポイントだけを使って「ミニミニ積み立て」をやってみても良いと思います。
コツコツ運用タイプに向いている投資先としては、長期的に高いリターンが期待できる株式などが良いでしょう。ただし、短期的には年率±40~50%ほどは動くこともあるので、とにかく長く続けることが重要です。
銘柄は様々な国に広く分散された低コストインデックス投信の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などでしょうか。
次にポイント投資だからこそ、挑戦してみたい銘柄選びを紹介します。>>